【1-3】盗賊の頭 ページ5
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「スケヒロったら、絡んできたやつ全員ボコってんだって??」
洗濯物のしわを伸ばしながら、干すAはジトりとした目をヤミに向けた
ヤミはソファに寝っ転がりながら後ろ耳に聞く
「………」
「はぁ……あなたのすることには何も言うつもりはないわ、でも……」
詰まるように言い淀んだAにヤミは顔を向ける
心配させちまったか?
「そういうことには私も誘いなさいよね!」
ズリッと手から顔が落ちる
そっちかよ……と今度はヤミがジト目をすることに
「こう見えて私、意外と強いのよ?」
腕をまくり、無い力こぶを見せる
「いや、力こぶねぇし……」
「んま、なんにせよ貴方が来る前は私も少し暴れてたからね」
「……お前が??」
「ええ、この国の裏というか公にはできない部分には特に詳しいかな」
「……ほーん」
少し含みのある声と顔にヤミは引っかかったが聞かなかった
「……さてと」
Aは干し終わった洗濯物の籠を魔法により元あった場所に戻した
ただしそれは浮遊してでは無く、カゴの影に吸い込まれるように消えた
「お前の魔法は、なんつうか他の奴と違ぇな」
「まぁそうね」
大抵は魔力があれば四大属性である、水、炎、風、土が使える
Aはその四大属性に当てはまらない
「……とにかく、スケヒロ。何かあったら私を頼ってね」
「……フッ、、お前もな」
こうして、ヤミは人種や文化の違いから「異邦人」と蔑まれていたものの持ち前の腕っぷしと魔法の才能でそれらをねじ伏せ、14歳にして盗賊の頭になっていた。
魔導書を持たない状態で並の大人すら叩きのめす実力を有していたことに多少慢心していた。
たがある日、Aと大喧嘩したヤミ
静かにブチ切れたAの口喧嘩にコテンパンに言い負かされたヤミはそれ以来頭が上がらなくなった
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アニメラブ - 読んでて、ヤミさんの奥さん愛がとてもすごかったです。めっさカワイイ 続きあるかわかりませんが楽しみにしてます。 (6月21日 8時) (レス) @page19 id: 224878efa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルザミーネミリオネア | 作成日時:2023年4月7日 3時