闇と深淵【ブラクロ】 (ページ28)

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『さっき魔法帝との話が終わったんだけど、近頃、恵外界にある村が襲われているらしいの』
「…」
『数としてはそれほどまだ多くはないけど、どれも決まって必ず襲われる村は魔法騎士団が来ることがないことが事前に把握されていること』
「…内通者がいるってのか」
『その可能性は大いに高いわ』
「お前、俺がそうだったらどうすんの？」
『アナタが？ふふっそれはないわね』

通信越しにAは笑った

『私と魔法帝を裏切るようなことはスケヒロはしない、それに＿＿＿そんなめんどくさいこと、しないでしょ？』

ふわりとAはじっとヤミの目を見た

俺が、全信頼をこの団に置いているのはもちろん、この国で出会ってからも隣でずっと支えてくれた

＿＿魔法帝と同じくらいに信頼を、すべてを

俺はAに捧げているし、逆も然り

「ハハッ！ちげぇねぇ。ちょうどマグナとアスタ、ノエルがソッシ村に向かった」
『またセイヒさんにしこたま取られたのね……まさかまた全裸だったんじゃ！』
「おう」
『あのねー！！せめてパンツ一丁で済むまでにしろって言ったでしょー！！』
「ダッハハハ！…言うこというを何でも聞くって言っちまってよ。新人もいることだしちょうどいいからイノシシ狩りに行かせた」
『はぁ、なるほど。ソッシ村が襲われるかはわからないけどちょうどいいわ。魔法帝から少し様子を見に行ってきてくれって言われたの。巡回ルートでソッシ村も寄る予定だからついでに新人たちの様子も見てくるわ』
「おう、頼んだ」

通信を切ってヤミは一服した

「……内通者…ね」

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それにしても何が目的なのか……
襲われた村はいずれにしても何かを探していたようだったということが報告に上がっている

「ソッシ村……何か嫌な予感がする」

いずれにしても狙われているのは恵外界に住んでいる村の人たちばかり

彼らばかり狙うのは生きている価値などないと思っている輩
この考えに至るのは王貴界に住む者、貴族たち

平界では多少裕福といった者たち、だが傾向的には恵外界をを下に見ていることが多い

下民風情と同じではない＿＿そういった者たちが

だが

「命を……なんだと思ってっ！」

今も、昔もっ！！！
虫けらのごとく扱うやつらが私は許せない、虐げる奴らが私は許せない

皆、等しく同じ命だというのにっ！

「＿＿同じ道を辿らせるわけにはいかないわよね」

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