闇と深淵【ブラクロ】 (ページ27)

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「魔法騎士団長を担っている人はこの中の誰かが次の魔法帝って言われてるんだけど、実はその中にはAさんも入ってるんだよ」

「え！？」

「なんでもAさんは魔法騎士団に入ってから一度も魔導書を開いたことがないって噂があるんだ。まぁ僕らの中でもあのヤミさんでさえ見たことがないって言ってたから多分事実だと思うよ」

フィンラルから聞かされる自身が所属する第一副団長がいかにすごいか、超えるべき壁を目の当たりにしたアスタはより気を引き締めたのだった

そしてしばらくして、マグナとヤミが帰ってきた

全裸で

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服を着てきたマグナとヤミは、アスタとノエルを呼んだ

「お前らに初任務を与える！ソッシ村でイノシシ狩りだ」

「イノ…」/「シシ…」

「なに、そのダサい任務…」
「ダサいとはなんだー！」
「イノシシなんぞ素手でぶっ倒せますよ！」
「てめえ！イノシシなめんじゃねえ！あいつらやみくもに突進してくんぞ！猪突猛進って聞いたことねえのかよ！？」

「そのソッシ村の村長に２人して負けちまってな」

ヤミが煙を吐いて言った

「や、ヤミ団長とマグナ先輩が負けるなんて…」
「どんな強いヤツなの？」

新人二人は息をのんだ、が

「トランプでな」
「「トランプ！？」」

「身ぐるみ剝がされちまったってわけだ」
「給料半年分もだ」

どうだ、すげえ爺さんだろ。ばりの言い方

(なんで…)/(威張ってるのよ…)

「更に何でもひとつ言うこと聞くって約束しちまってな。そしたらイノシシ退治を頼まれた」
「村の近くに群れが出没して畑を荒らされて困ってるらしい」

「はいはーい！それって俺たち関係ないっスよね！」
「そうよそうよ、負けたのは団長とあなたなんでしょう？だったら…」

「バカ野郎！ヤミさんの尻拭いをヤミさんにさせるつもりか！」

(普通は…)/(そうでしょうよ)

「ヤミさんの尻拭いは俺たちがするんだ！」

マグナの気迫っぷりに何も言えなくなってきたのか、アスタとノエルは黙ってしまう

ヤミが静かに一服、吐きながら立ち上がった

「行くのか死ぬのか、どっちだ」
「「いきます！」」

ヤミはその返事を聞くと外へ出て行った

「あい、こちらヤミさんですよー、１分1,000ユールでどうぞー」
『ほぼぼったくりの額ねそれは』
「Aじゃねえのどうした」

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