闇と深淵【ブラクロ】 (ページ19)

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【3-4】ページ19

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「よく体は諦めなかったわね。思考は完全に止まっていたけど今まで鍛えられた肉体と動体視力、瞬発力に助けられたってところか」
「斬ることは不可能でも当てることは可能だったか」
「跳ね返ったわね」
「あの剣は魔法を切り裂き跳ね返す…Aの言った通りあの坊主面白ぇな」
「でも、あの様子じゃ…知らなかったみたい」

マジマジと剣を見ているアスタにAは苦笑した

「こんちくしょうが…」

炎の中からマグナが歩いてくる

(え～っ！？あれ食らってピンピンしてるーっ！！)
「とっさに打ち消したからよかったようなものの…もうちょいで自分の魔法で死ぬとこだったじゃねえか」

てんめえ～！！と走りながらアスタに詰め寄る

「やるじゃねえか！だははっ！ワハハ！」
「えっ？えっ？」
「俺の魔法を防ぐどころか跳ね返してくるとはな！気に入ったぜチビスタ！ハハッ！」
「アスタっす！」

バシバシと背中を叩きながら褒めるマグナ

「魔力の少ねえ田舎者ってバカにして悪かったな…ていうか実は俺も田舎出身なんだわ。ハージ村の少し上のラヤカ村」
「ウオ～！マジっすか！ラヤカ村ってすっげえド田舎なんでしょう？」
「てめえにだけは言われたかねえ！ハハッ！ダ～ハハッ！」

アスタは頭をなでながら言う

「ヘへッ…けど俺魔力が少ないどころか実は全然ないんすよ～」
「あ～ん！？」
「あっ；」
「魔力がないだあ？それなのに俺の攻撃を打ち返しやがったのか！」
「あっ…はい…」

「余計かっけえじゃねえか。さてはお前、漢だな？」

今まで否定的なことしか言われなかったアスタはマグナの言葉が心にしみるかのようだった

そんなアスタにわあ～っと駆け寄る団員たちにAはクスリと笑みがこぼれた

「ほらよ！てめえのだアスタ！」

目の前に差し出される黒の暴牛団の証であるローブ

その現実をアスタは嚙み締めるかのように目を輝かせた

「要らねえのか？」
「い…要ります！要る！！」

バネッサにより羽織られ、ついでにと頭のバンダナにも黒の暴牛団のマーク、闘牛が目立った

「よく似合うじゃねえか！ねえ、ヤミさんたち！」
「地味な色合いだな」
「ええ、馬子にも衣裳ってやつね」

「これでお前も魔法騎士団黒の暴牛の一員だな。ヤミさんとAさん、黒の暴牛の名に恥じない活躍をしやがれ！」

「アザーっス！よろしくお願いしゃーす！ウオ～！」
「うるせえ」
「すみません！；」

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