闇と深淵【ブラクロ】 (ページ13)

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【2-5】魔法帝への道ページ13

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番号は次々と呼ばれた
大半は挙手無しのものが多かった

「次１６４番」
「はい」

「お、おい噓だろ…全団挙手！？」

四つ葉を持つもの、ユノに手が上がらなかった団はいなかった

「金色の夜明け団って王族か貴族しか入れないんじゃなかったのか！？」

そう騒ぐ民衆たちにAは少し眉間にしわを寄せ、笑った

(…本当に彼がただの“平民生まれ”ならね)

「銀翼の大鷲団までもが…！」

「いいの取られちゃいましたね」
「友達になりたかったな…」

「まあしゃあねぇな」
「というか彼がこっちに来る確率の方が低いでしょ」

こんなマイナスだらけのハチャメチャ団には…と苦言を内に零す

「次１６５番」

Aはジッと彼を見つめた

「お願いしまーす！」

「希望者は挙手を」

だが、誰も手を挙げなかった

「１６５番＿＿＿＿挙手なし」

ポンと肩に手を置くとわかっていたのかぎゅっと一瞬握り返してくれた

手が挙がらなかったことが悔しいのか

一歩も動かないアスタに次に選定を待つ者たちの苦言であふれた

「そりゃあ、そうだわな」

一人の男の声が通った

「ヤミさん？」

「たとえ高い戦闘能力持ってようが、それが得体の知れねえ力じゃ誰も手ぇ出さねぇわ」

「何やかんやで結局魔法騎士に求められるのは魔力だ」

試験場を覆うかのような魔力を出しているのはこの男、ただ一人

恐れおののいてしまうほどのその力は一目瞭然

ヤミはそのまま魔力を放出させたまま試験場へ下りた

「ちょ…ヤミさん！？」
「しー、いいのフィンラル。好きにさせてあげて」
「Aさんまで…」

ヤミはアスタの目の前まで歩く

「魔力のないお前なんざ誰も欲しがらねえ、これが現実だ」

魔法がすべてのこの世界で、魔力が一切無いのは致命的である

「お前さっき魔法帝目指してるとか言ってたな
つまり俺たち９つの騎士団の団長たちを超えるってことだよな
今、俺の目の前でもまだ魔力のないぶんざいで魔法帝になるとほざけるか？」

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