私が ページ34
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「研究長」
白衣の男はそう言えば此方を見る
「なんだ」
「はっきりと言わせていただきます。貴女は、自分の娘はアンヌ、否、Aだと思っているかもしれませんがそれは違います」
そう言えば彼は顔をしかめる
「貴方は自分の妄想の中で生きてるんです」
「どういう意味だ」
「私は貴方を誰よりも知っています。今の貴方は昔のように優しくない」
そう言って近寄る
一介の研究員はこんな風に口を聞いたら一瞬で殺される
でも、私は殺せない
「昔の……娘さんを失う前の貴方はとても娘のアンヌに優しかった。ですが貴方はその頃から偉大なお方。その為狙う人も多かった。娘も何度も誘拐された。ですが貴方はすぐに助けに行ってました。そしてそのたびにこう言いました。“私の娘であるから狙われてしまう……すまない、だが、もし私の命が狙われても決して助けないでくれ”と」
そう言ってあと一歩でひっつくくらいの距離に行く
「だからなんだ」
「ですが娘はそれを破りました。貴方を父親として尊敬し、愛していた……そういう“感情”があり、銃に対抗できるような異能を所持していなかった」
そう言って手を伸ばす
「娘は幸いにも助かりました。ですが貴方はこう妄想してしまった。“娘は死んでしまった”ですから貴方は私そっくりのAを作ったのです」
そう言って頰に手を当てる
「私が貴方の娘のアンヌです……目を覚ましてください」
父は私をじっと見つめる
「この十年、ずっとあの子を厳しくしつける貴方を殺そうと思った。でも出来なかった……今も尚貴方は私の父ですから……そして、アンヌをそう厳しくしている理由も存じてます。書類を見ました……誰にも負けないように」
そう言って書類を白衣の下から取り出すと奪おうとする父
だが、それは不可能
「私の異能は確かに反射的には無理です。だから死にかけました。でも、貴方は怪物を作ってしまいました。Aという制御不可能な怪物を」
そう言って落ちたピアスを拾い、手渡す
「貴方の行動が、貴方自身を苦しめてるのです」
そう言えば父は黙ってピアスを手に取り
投げ捨てた
「違う……違う!アンヌは死んだんだ!」
「貴方は現実から逃げてるのです!此処に私はいます!」
そう言うと、呼吸がしにくくなった
「違う……アンヌが死んだから私はまた再びアンヌを創ったんだ……違う……」
私は腕を父に向ける
だが、視界がどんどん狭まり、腕に力が入らず、目蓋を閉じた
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リュカ(プロフ) - げっかじゅうさん» 本当ですか!もし可能なら私のボードで違い人に説明しているので良かったら見てみてください。参考になるか不安ですが…… (2019年11月17日 18時) (レス) id: 38f9297035 (このIDを非表示/違反報告)
げっかじゅう - イメ画を描いてみたのですがどう送れば、、 (2019年11月17日 14時) (レス) id: c10d1d2bf8 (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 桐箪笥さん» 大丈夫ですよ〜ありがとうございます (2019年11月7日 6時) (レス) id: 38f9297035 (このIDを非表示/違反報告)
桐箪笥(プロフ) - すみません、どう3人が成長がではなくどう三人の関係がでした… (2019年11月6日 19時) (レス) id: c5094549cd (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - ミレーさん» ありがとうございます!頑張りますね〜 (2019年11月6日 19時) (レス) id: 38f9297035 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リュカ | 作成日時:2019年10月19日 12時