【文スト】その幼女、実は______

普通 ページ13

「取り敢えず、特訓しようか」

そう言って私はAちゃんの正面に立つ

「私を異能を使わずに倒してご覧」

「了解致しました。命令をすみやかに遂行します」

そう言った瞬間、Aちゃんは私に近づき殴ろうとする

それを避けて拳を持った瞬間

反対側の手でお腹を殴られる

「う……」

早いし重い

中也並みじゃない？

「……はー……やめ」

「攻撃をやめます。如何でしょうか」

そう言われて私はお腹をさすりながら頷く

「凄いよ……中也並みのパンチ力だ。本当に十一歳？」

「はい」

そう言ってAちゃんは拳を開いたり閉じたりする

「痛いのか？」

「大丈夫です。これくらい」

そういうAちゃんだが小さな手は赤かった

「一緒に医務室に行こう。ね」

「……いいのですか？」

そう言われて私は首を傾げる

「……怪我をしたら、普通、ダメだから……」

「怪我をして放ってる放置してる方が悪いぞ」

「……そうなのですか」

そう言ってAちゃんは手を隠すように後ろにする

「知らなかったです」

彼女がどれほど過酷な訓練や我慢をさせられていたのか、私は知らなかった

だが、今此処に居るなら”普通“を覚えさせないと

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