【文スト】ドアを開けたらヨコハマだった。〜織田作を救出せよ〜

８話 ページ9

「中也君、取りあえず共同調査を申し出たい、我々が調べた先代復活の噂と、君が追うアラハバキは明らかに同根の事件だ．．．
情報を分け合うだけで、互いに利ある結果をもたらすと思うのだがね」



「もし断ったら？」



中也ちゃんがそう問うと、森さんは手に持っていた端末を操作した。



「おい、中也助けてくれ…そこにいるんだろ、ポートマフィアに捕まっちまった．．．お前ならなんとかできるだろ！！早く助けてくれっ、いつもみてぇにっ」



中也ちゃん優しいから断れないだろうな。仲間思いだし。



「ヨコハマの一等地になわばりを構える反撃主義の組織．．．だが、銃で武装していても君以外の構成員はただの子供だ。同じリーダーとして心中察するよ．．．」



白々しい。そっちが捕まえたくせに。



「手前．．．」

「とまあ．．．この通りだよ、太宰君。

今この部屋で最も強大な暴力を持つのは中也君だろう、だがマフィアにとって暴力は指針の一つに過ぎない。

マフィアの本質はあらゆる手段で、合理性をコントロールする事」

「どうしてそんな教訓を僕に教えるの？」

「さて、なぜだろうね」



．．．段々なんで私がここにいるのか不思議になってきた。

いや、中也ちゃん見れたしいいけども。



「情報を交換してもいい、ただし手前らが先に話せ、判断はそれからだ．．．」

「いいだろう、我々は先代が現れた噂を追っている．．．
太宰君の調べでは、この半月で三回…いずれも擂鉢街でその姿が目撃されたそうだ。
そして四回目が昨日、彼は黒い炎で君たちを吹き飛ばした」

「死者は蘇らねェ．．．」

「私もそう思う、だがそうも言ってられなくなった」



そういって森さんは椅子にもたれかかり端末をピッとおす。

後ろの大きなスクリーンに金庫が映し出される。



「この本社ビル内でも最も侵入の難しい場所の監視映像だ」

カメラはノイズ音を発しながらある人物を拡大する。



「先代．．．？」



太宰さんがつぶやいた。

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