【文スト】ドアを開けたらヨコハマだった。〜織田作を救出せよ〜

２３話 ページ25

「普通の神なら貴様無礼すぎて今頃昇天してるぞ。」

『ヒェッ』

「ほらよ。」



いつの間に取り出したのか、薫の手にはワイングラスが握られていた。

なるほど、これが神の力か。心得た。

グラスを覗けば赤い液体。



『え、何時から血の採取が趣味に．．．あ、でっぷるのドス君的な？』

「違う。普通．．．ではないがとにかく血ではない。飲め。」


のめ、の目、乃芽、ＮＯМＥ？


『ええええええ？！？！！！？』

「五月蠅い！」


ガンッ

鈍い音を立てて頭に拳骨が落ちる。

久しぶりだなぁ。これ。

感情的にも物理的にもじーんとなった。


「それは異能譲渡薬。必要なんだろ、織田作之助の異能。天界長から頂いてきた。」

『！ありがとう』

「但し、それを飲んだからには死があることを心得ろ。」

『．．．え？』

「お前の肉体は俺によって作られたもの。神の創造物だから肉体の死は来ない。例え心臓がくりぬかれても。が、しかし、その薬によってその体は神の創造物ではなく、お前の物となる。人間の物になったからには死が存在する。ジイドに撃たれたら死ぬ。」

『そっか。』

「まぁ、安心しろ。肉体が死んだら行き場所がなくなったアリスは元の肉体を求めて元の世界へ．．．つまり令和に戻る。ほれ、手紙だ。」

『．．．いろいろとありがとうね。』

「嗚呼。

宗田理のぼくらシリーズにもあるだろ？友のためならば、親もセン公も騙しますって。

大切な弟子のためならば、天界長もその他上司も騙します、だ。」


そう云ってにかっと笑う。

私のためにわざわざ．．．

ってか頂いて来たって盗んだの方だったんだな(((


『行ってきます！！』

「いってらっしゃい。」


薫に見送られ、出発した。
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【そーこくと日常：バイク】

「手前ェ！！太宰！！」

「ん？嗚呼、中也じゃないか。小さすぎて見えなかったよ。」

「んだと？！というか何だこれは？！」

中也兄さんが手に持っていた紙を広げる

『どれどれ．．．【今週の負け惜しみ中也：壊されたバイクを意地でも自分で直している中也】．．．治兄さん、この写真頂戴。超ギャップ』

「いいよ」

「だめだ！！なんだ、これは？！大体手前が俺のバイクを壊すから！！」

「．．．止めなくていいのか」

後ろには何時の間にかやつがれ兄さんが。

『これが双黒の在り方だから。』

「貴様この前は喧嘩を止めてただろう」

『私のスマホ壊したから。』

「そうか。」

今日も平和である。

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