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十六話 ページ18

普段の疲労による幻覚か。始めは本気でそう思った。

だが志村の一言によって僕の暗示ともいえる期待は霧のごとく散っていった。



「おー。今回は一段と派手だな」

「よう、志村」

「お疲れ様です中原さん。」

「香川さん!!俺の好み覚えててくれたんですね!」

『此れは...』



太宰さんを陥れる相談をしている中原準幹部と志村。

まるで乙女のように「ああ、ケェキ食べたいけどカロリィが...」と嘆いている側近の黒服。

無花果を頬張る奴。

地獄絵図だ。今でもなぜか鮮明に覚えている。



「中也兄さん、ほい、ロマネ。」

「毎回毎回手前、こんな貴重なもんどっから持ってきてんだ?」

「企業秘密〜」



目の前の光景に揶揄われてるのかと思い僕は我慢ができなかった。



『香川A。貴女のことは聞いています。人を一人も殺せないひ弱で臆病なたかが女の癖に幹部補佐をしている身の程知らず、と。』



流石に準幹部の前で云いすぎたかもしれない。が、飛んできたのは叱責ではなく、憐みの声だった。



「お前...終わったな。」

「骨は拾っておいてやるよ。」



意味が解らず顔をしかめていると何か電子機器のようなものを取り出して奴は何やら云い出した。



「芥川龍之介。年齢は十五歳。異能力は羅生門。身長167センチ。体重は46キロ。血液型はA型。誕生日は3月1日。好きなものは骨董、茶、無花果。嫌いなものは盆栽、犬、風呂、蚕豆、蜜柑。えぇ〜私蜜柑好きなのに。骨董が好きで盆栽が嫌い...。渋い...のか?」



幼き口から飛び出る情報に思わず後さずった。



「嗚呼、妹ちゃんも居たっけ。銀ちゃん。可愛いよねぇ。」

『何処で其れを...?!』

「臆病さ。私は。ひ弱、かな。受け身ぐらいしか取れないし。身の程知らず、ねぇ。...逆に訊くけどさ。あんた達は何様なの?」



殺気ともいえる威圧に何も云えなかった。



「女の構成員がさ、治兄さんに近づく身の程知らず、なんて云うけど。逆に訊きたいよ。一日中引きこもりで医学書を読んだことは?一年中ろくな睡眠もとらずパソコンとにらみ合ったことは?首領を脅したことは?爆弾の解除をしようと命を懸けたことは?え、ないでしょう?何もしないで、得をしようとするあなたの方が身の程知らずよ、芥川龍之介。」

『僕は...!』

「暴力だけが生き残る道じゃないんだよ?何でそんなこともわかんないの?治兄さんが望む強さはそれじゃない。」


僕を映す眼は悲しげに涙を流した。

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ゴーゴリンゴ - 続き気になりすぎて夜しか寝れません!!!更新待ってます! (2022年8月13日 19時) (レス) @page29 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者)シグマ君は私の精神安定剤 - ええええええ!何でこんな此れから良い所☆みたいなとこで更新停止になるかなああああああああああ‼‼‼作者さん! Please come back‼‼‼‼‼ (2022年7月25日 22時) (レス) @page29 id: 1595fb6da3 (このIDを非表示/違反報告)
スイ - 私もテストいやだぁぁぁあああ!!!お互い、頑張りましょう・・・ねぇ・・・!!! (2020年9月28日 1時) (レス) id: da4fd86884 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - かおるん(薫)好き… (2020年9月12日 17時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
セカイ(プロフ) - スイさん» ありがとうございます!!これからもっとシリアルが登場します((( (2020年9月10日 17時) (レス) id: d7cde5f55c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セナ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年8月2日 7時

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