そ う る − と

そうくん ページ19

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結局その日は奏くんと話すことなく終わった。









そしてそれは、一日ではなく、一週間続いたのだ。









*







そして、奏くんと話せなくなってから二週間後のある日。







「よっしゃー、飯めしー」



トイレに行った友達を待たずに弁当箱を広げはじめたところで、






奏「Aちゃん！」




「ん？奏くんじゃん。なんか久しぶりだねー」






奏くんがこそこそと私の席の方へ近づいてきた。








奏「あの、お昼一緒に「奏く〜ん！お弁当一緒に食べよ〜」…あ、」



チラッと、助けを求めるように私を見てくる。





いや、誘ってくれるのはすげぇ嬉しいし、友達ほっぽってでも一緒に食べたいくらいなんですが…


さすがに、この状況で私を優先されると女子どもに恨まれる可能性も出てくるわけで、



女子の行動力を舐めちゃいけない。





「あー、行ってきなよ。話あるなら一緒に帰る？」



ごめんよ奏くん。


私も女子に刺されたくはないんだ。







奏「…わかった。一緒に帰ろう」



「ん、りょーかい」





とゆーわけで今日は借りますねー。







周りにいた女子にそういうと、はーい、と案外素直な返事が返って来た。




奏くんと女子の軍団が教室から出ていくのをぼんやり見送っていると、







友達「よかったの？」



「…うわー、びっくりした」




帰って来た友達が、噓くさ、とつぶやきつつ前の席に座る。






友達「で？よかったの？」



「よかないけど、刺されるよりマシでしょ」


友達「そりゃそーだ」




友達がコンビニパンを頬張り始める。


やっぱり、なんか、面白くねぇなあ。なんて思いながら弁当の中身を口に運ぶ。






友達「見てみてこれ。最近ハマってんだけどさ」



「ん？…お、Souくんの未来形イノセンスじゃん」




友達「ずっと思ってたんだけどさ、蒼羽君と声似てるよね」









その言葉に、いろんな光景がフラッシュバックした。









ある日のSouくんのキャス









Souくんに過剰なほど反応していた奏くん









そして、今の友達の言葉。











友達「Aもそう思わない？」






「…おもう」









ピロん、と




制服のポケットに入れていたスマホが通知を鳴らした。






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Sou ＠Nico_nico_Sou




今日もあの人と話せないまま





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あぁ









奏くんだ

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