第十夜 ページ10
二つ目の仕事を終え、船から降りれば世界政府の役人が来て顔を赤くしながら喋り出す。
「お疲れ様です。あの船でロブ・ルッチ氏が既にお待ちです。」
「ありがとう。」
直ぐに役人が言った船の方へ歩き出す。
「それでは到着までこの部屋でお待ち下さい。」
「ありがとう。」
「…。」
深く礼をして帰っていく役人。
部屋の中のソファには長い足を組み、ブラックコーヒーを飲む無表情男。
私は黙ってカフェオレを作り、彼の斜め向かいのソファに座る。
沈黙のなか、カフェオレを啜る。
「カリファから聞いたんだけど、貴方エニエス・ロビーの人とは寝ないんですってね。」
視線だけこちらにやり、すぐに逸らす無表情男。無表情なのには変わりないが、どこか疲れが見える。
反応はないか、と諦め、再びマグカップを口に運ぶ。
「…それが？」
少し目を見開く。彼が『おい。』と来る時間以外の言葉を発したのが意外でならない。もちろん寝る時など、一言も発さない。
「それが？って…なぜ態々私と？」
「…どうでもいいだろう。」
「私が来る前も、カリファとも寝たことないんでしょう？」
「…。」
何も反応せずコーヒーを啜るのを無言の肯定と捉えて、溜息をつく。ますます意味がわからない。
そもそも、会話なんて殆どしたことがないから、彼のことは全く知らない。
ただ知っているのは、夜の彼と、彼の背中に大きな傷があることだけだ。
これ以上問い詰めても、何も変わらなそうなので諦めて再びカフェオレを飲む。
「目的地まで5時間ある。」
「…は？」
突如立ち上がり、上から私を見下ろして言う無表情男。
「隣に寝室がある。やるぞ。」
「いや、え、ちょっと！」
私の腕を掴んでドアまで引っ張って行く無表情男に対抗しようとしても何故か歯が立たない。殺意がないから、当たり前か。所詮男女の力の差だ。
いつもこんなにコミュニケーションをとることがないからか、何故か心が切羽詰まる。いつもなら抵抗なんてすることも無いしする必要もない。私の同意の元だった。
「俺は遠征のせいで一週間ずっと寝ていない。とっとと寝るぞ。」
多分あっちの意味でも、本来の意味でも寝れていないんだろう。とんだブラック企業だ。
いや、遠征先で寝ればいいじゃない、と思いながらベットに押し倒され、抵抗を諦める。
昨日のカクよりずっと獰猛な瞳の無表情男が口を塞ぐ。
いつもは味のないキスが、今日だけブラックコーヒーの苦い味がした。
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あイカ - 優泡さんへ 私、七武海もCP9も好きなので、どっちも出してくれて有難うございます！夢主ちゃんは色んな人に気に入ってもらっていますねェ…では！ あイカより (2019年8月29日 0時) (
レス) id: 11ab2ddcaf (このIDを非表示/違反報告)
優泡 - かなさん» はじめまして！そう言っていただけて嬉しいです！更新頑張りますね。 (2018年12月24日 20時) (レス) id: 792f1e6fe7 (このIDを非表示/違反報告)
かな - はじめまして優泡さん 小説すごく面白いですね(≧∀≦) 続き楽しみにしてます (2018年12月24日 8時) (レス) id: 69ebbce6f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優泡 | 作成日時：2018年12月6日 19時
