第二十四夜 ページ24
『な、なんと美しいマドモアゼル！こちらの席へどうぞ！』
『え、ええ。』
気まぐれに寄った海上レストラン目をハートにさせた少年に迫られた。
戸惑いながらも案内された先に座ると、その子が先程とは打って変わって顔を赤くしながらメニューを差し出してきた。普段他人に興味を持たない私が珍しくその子に興味が湧いた。
『ど、どうぞ、メニューです。』
『ありがとう…ねぇ、なんでさっきと違って顔を赤くしてるの？』
『えっ…あ、貴女ほど美しい方は初めてで…改めて遠くから見て恥ずかしくなってしまいました…。』
『あら、そうなの？ふふっ。』
その子の正直な言葉に思わず笑ってしまった私の顔を見てその子はさらに顔を真っ赤にする。
『君は料理するの？』
『は、はい！』
『じゃあ、私、あなたの料理食べたい。』
『…へっ？！か、かしこまりました！』
私の言葉にビックリした後、嬉しそうに厨房へすっ飛んで行ったその子は一瞬で戻ってきた。
『どうぞ、マドモアゼル。』
『美味しそうね。頂きます。…ん、美味しい。』
パスタを一口食べて、心が温かくなる。そんな感覚に驚きながらも、思わず笑顔になる。それを見て今度こそゆでダコになった少年。
『あ、ありがとうございます！！』
『オイ、チビナス！！！！とっとと仕事に戻れェ！！！』
『うるせぇ、クソジジイ！！！！』
会計もその子がやってくれた。
『ありがとう。美味しかったわ、ご馳走さま。』
『い、いえ…あの…。』
彼が何かをいう途中で、私はしゃがみ、頭をぽんぽんと撫でた。
『君、名前は？』
『さ、サンジ、です！』
すぐに立ち上がりドアを開けた私は、後ろを振り返らずに言った。
『サンジ、また来るわね。』
それからそのレストランに海軍に復帰しても週に一回は通うようになった。海軍コートは着ずに。
サンジとはとても仲良くなった。友達とはどこか違った。何か違う感情を持ってた。
なにか、心が温かくなるような、そんな気持ち。
前にも後にもこんな感情を持つのはサンジにだけだった。
それからここへの配属が決まった時、ドタバタしてたから言葉を交わすことは出来なかった。
ただ、オーナーと怒鳴りあいながら仕事をする小さな背中を一目見ただけだった。
どうしても、一目見たかった。
彼との出会いは、私に新しい感情を教えてくれた。でも、それが何かは分からない。
ただ、彼が愛おしかった。
彼は、私に心をくれた。
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あイカ - 優泡さんへ 私、七武海もCP9も好きなので、どっちも出してくれて有難うございます！夢主ちゃんは色んな人に気に入ってもらっていますねェ…では！ あイカより (2019年8月29日 0時) (
レス) id: 11ab2ddcaf (このIDを非表示/違反報告)
優泡 - かなさん» はじめまして！そう言っていただけて嬉しいです！更新頑張りますね。 (2018年12月24日 20時) (レス) id: 792f1e6fe7 (このIDを非表示/違反報告)
かな - はじめまして優泡さん 小説すごく面白いですね(≧∀≦) 続き楽しみにしてます (2018年12月24日 8時) (レス) id: 69ebbce6f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優泡 | 作成日時：2018年12月6日 19時
