第十一夜 ページ11
痛む身体をさすりながら、甲板に出る。溜まっていたのか、いつも以上に激しかった。
先に出ていた無表情男の斜め後ろで立ち止まる。目の前にはターゲットが居る隣の島。そこから、一般の船に乗り換えて、目的の島へ向かう。
「…貴方のお陰で、任務に支障をきたしそうよ。」
「俺はしっかり任務に臨めそうだが。」
甲板に立っている役人達が私達の話している内容を察して騒めき出す。が、無表情男がひと睨みして黙らせる。
「じゃあターゲットは任せたわ。下っ端あたりをやるわね。あと、任務中に紙絵と月歩と指銃を見せてもらいたいんだけど。」
「…六式を任務にまだ使ってねぇのか?」
「剃と嵐脚だけね。鉄塊もコツを教えて貰えたら嬉しいんだけど。」
「勝手に見ろ。」
「ありがとう。」
無愛想にそう言い捨てた無表情男に礼を言う。
船が岸についた。
「嵐脚。」
何人目になるか、襲いかかって来た下っ端を搔き消す。
「行くぞ。」
「ええ。」
やっとターゲットの居る部屋までたどり着く。私がドアを蹴破り部屋の中へ先に無表情男を入れて後から部屋に入る。美女と戯れていたターゲットが入ってきた私達を見て笑い始める。美女は突如侵入してきた黒尽くめの私達に怯える。
「ははは、CP9のお出ましだな。美女が付いているなんて素晴らしい。」
「…申し訳ないけど、彼女のことも消さなきゃならないわ。ここに居たのが不運ね。」
「心配するな。」
そう言うと、しがみついていた美女を引き離し、ガッと彼女の首を掴むターゲット。本人は訳も分からないまま喉を潰され、足掻いていた手がだらんと下がる。
それを無表情で見つめる私と無表情男。
「これでいいだろう。」
「お前は下がれ。」
ニヤリとしながら言うターゲットの前に、進み出る無表情男。私は彼の言った通り、後ろに下がる。
「おや、子猫ちゃんは来ないのかい?」
「心配しないでも、お前は俺が始末する。」
「じゃあ、俺もお前のことを始末して子猫ちゃんを手に入れるかな…。」
そう言いながらルッチではなく私のところに素早く来たターゲット。いつもなら避けられるが、突然手首を封じ込められて腰を引かれる。ターゲットの体にまだ痛みの残る下半身が当たり、思わずビクンと反応する。
汚い笑みを浮かべるターゲット。
「おや、相当可愛がられたみたいだな。」
睨みつければ、横から飛んできた無表情男によってターゲットは吹っ飛ぶ。
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あイカ - 優泡さんへ 私、七武海もCP9も好きなので、どっちも出してくれて有難うございます!夢主ちゃんは色んな人に気に入ってもらっていますねェ…では! あイカより (2019年8月29日 0時) (レス) id: 11ab2ddcaf (このIDを非表示/違反報告)
優泡 - かなさん» はじめまして!そう言っていただけて嬉しいです!更新頑張りますね。 (2018年12月24日 20時) (レス) id: 792f1e6fe7 (このIDを非表示/違反報告)
かな - はじめまして優泡さん 小説すごく面白いですね(≧∀≦) 続き楽しみにしてます (2018年12月24日 8時) (レス) id: 69ebbce6f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優泡 | 作成日時:2018年12月6日 19時