もう、逃げられない…【跡部景吾】

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放たれたボールはボスッと音をたてて、ネットにひっかかった







『フォルトかー…やっぱ本調子とはいかないかな〜』









セカンドのカットサーブの構えに入る



カットサーブは変化があるため強打は出来ない。よってリターンエースはとられない!









「ッ!」



『15-0!まずは1点!』



「相変わらずよく曲がるカットだ」









なんて言われつつ、カットサーブが通用したのは最初だけであっという間に


1ゲーム取られてしまった









『女子相手に容赦なさすぎ〜』




「Aこそ女子とは思えない強打してきただろ〜」









笑い合いながら大石にボールを送った







大石が何度かボールをついている間にベースラインよりかなり後ろにさがる


男子のサーブってもっと下がった方がいいのかな?









視界の隅に一瞬、ボールがうつった









「15-0、だな」







ハハ、と笑った目の前の男








『あ〜、めちゃくちゃ油断してた』



「油断せずにいこう…なんてな」



『手塚かw』









男子のサーブエグッ…



油断大敵過ぎるわ…









よし、次!



次はサービスラインの少し後ろで構えた







サーブは案の定、1番打ちにくい左足のすぐ横にきた



…ので、ライジングショットでストレート側に返しリターンエース









『15-15!』




大石はちょっと悔しそうにして次のサーブの準備をした









『さぁ来い！』




それを見て、私も構え直した







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