もう、逃げられない…【跡部景吾】

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今日は運よく土曜日



学校は休みで私は昼頃まで寝ていたおかげか、身体のだるさはなかった









汗でベタベタする…



私はシャワーに入ろうと思い、クローゼットを開けた









『また新しい服入ってる…』









入っている服はどれもヒラヒラとした清楚なもので、どれも高そうだった



景吾の趣味なのかな…?









なんとなく、白ベースで胸元に水色のリボンがついているものを手に取る




シャワーを浴びるために、さっと服を脱いだ









すると、手首の痕が視界に飛び込んできた









『………』







手首だけじゃなかった









身体中のいろいろなところ、と言っても服で隠れて見えないところに



聞き分けの悪い私への罰の痣や傷痕があった









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『……はは』









気づけば、私の口角は弧を描いていた




今まで痛かっただけのはずのこの傷痕が、今はとても愛おしく見えた









私だけが、こんなに愛されてるんだ…




こんなに尽くされているのは私だけ…









なんだ、この傷痕は幸せの証なんだ



…今まで、何を怖がっていたんだろう









こんなに愛されていることに





こんなに尽くされていることに









こんなに





こんなに









こんなに、景吾を愛していることに…









『なーんだ、悩む必要なんてなかったじゃない』








私の笑い声は、浴室に響き渡った





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