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第六十三話【小さな違和感】 ページ43

次の日......


世界はいつもと変わりなく世の中は回っていた。
私は今、暦付の手帳を見ていた。今日は十四日。特に急ぎの案件はない。それでも、世は晴天の霹靂なり。例え世の中が平和であっても、突如事件が起きる事も......


(あれ?何だか前にもそんな事思ったような......いつだったけ?)


何故か分からなかったが、小さな違和感があった。しかし、言葉に出そうとしてもそれに見合う言葉が見つからなかった。


私はふと手元の手帳をペラペラ捲ると一枚のメモが挟んであった。メモを挟んだ覚えが無かったが、私は紙を摘んだ。


その紙に触れた瞬間......私の頭に知らない記憶が頭の中に流れ込んできた。


それは私がポートマフィアにいた事。麻薬の密売組織の制圧。そして、織田の後ろ姿を追いかけた事。何故、私がポートマフィアにいたのか......それが私達が入れ替わったからだ。光は闇に。闇は光に。私達はそれぞれの世界で一日を過ごした。あの日も一四日。今日も十四日。世界は同じ日を繰り返していた。しかし、誰一人その事実に気がついていなかった。私だけがその事実に気がついていた。


(いや、待て......一四日......)


そんな事実が起こっているのも衝撃的だったが、それよりも大きな不安が芽生えていた。何故なら、今日が十四日だからだ。私達が入れ替わる元凶となったあの箱が探偵社に届けられる日だ。例え、私が荷物を開けなくても他の誰かが開ける恐れがある。一体どうしたら......


キッキー!ガシャン!


そこに急ブレーキの音と何かがぶつかる音が聞こえた。私はすぐさま窓へと駆け寄った。外を見ると、近くの道路で煙が上がっていた。どうやら、交通事故のようだった。


(あれ......事故があったのは、荷物が来た後だったんじゃ......)


私の記憶通りならば、箱が届いた後に事故が起きた筈だった。しかし、箱が届けられる前に事故が起きた。彷彿させていた記憶と起きている現状に差異が生じていた。とにかく、違和感の真偽をするよりも、情報は目で見たほうが早いことは知っていた。私はいてもたってもいられず、探偵社の外へ飛び出した。

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作者名:トキハル | 作成日時:2019年11月17日 14時

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