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第六十話【明日も】 ページ40

午後二十三時十分......


私は自室の机の前に座っていた。私の受け持とうとしていた事件は、向こうの私によって解決されたようだ。彼女に借りが出来てしまったが、きっともう会う事はないのだろう。私はただ心の中で御礼を言った。


(そうだ......手帳......)


私は部屋に掛けてある外套の内ポケットを探った。しかし、手帳が見当たらなかった。


(あっ......そっか引き出しの中に置いてきちゃったんだ......)


就寝する前に手帳で予定を見ようと思ったが、探偵社に忘れてしまったのなら仕方がない。


(まぁ、明日でいっか......さぁ、明日も頑張ろう)


私は一人意気込んで、部屋の照明を消した。






【ポートマフィア】
同時刻......


私は執務室の椅子に座っていた。今日は一日多くの事が起こった。今更ながら疲れがどっと押し寄せていた。今直ぐにでも寝台の中に潜り込みたいが、まだ役割が残っている。それが達成するまでは安心できない。私は重くなる瞼に堪えながら、何とか目を開けた。


私は椅子から立ち上がり、壁際の本棚に近づいた。厚さも色も統一性がない本の中で、一冊の厚い本を取り出した。私は徐に本を開いた。どの頁にも罫線が引かれている中、一枚だけ真っ白な紙が頁の間に挟まっていた。私は本を棚に戻し、紙だけを机の上に置くと、万年筆を手に持った。そして、考える間もなく手を動かし、文字を書き出した。

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作者名:トキハル | 作成日時:2019年11月17日 14時

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