夏のはじまり ページ1
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昔ほどの過密なスケジュールではないここ数年は
ひとつの大きな仕事をやり終えると燃え尽きたみたいに、エネルギーが空っぽになって倦怠感が襲うようになっていた。
なぜかは分かっていた。
日常に戻ったときに私生活が年相応に充実していないから。
世間と比べてどうとかじゃなくて、
僕って人間に必要なのは家族であって、愛情が向けられる先がほしかった。
それもAと出会う前までの話で、
家族を持ちたい、彼女と一緒になりたいって付き合える前から意識し出してからは
自分に決定的に足りない最後のピースがぴったりとはまったような感覚。
「ジョンウンさん、お帰りなさい」
「あ…ただいま」
おかえりが嬉しくて、反応がにわかに遅れるとAがつられて笑う。
今日も可愛い、僕の愛おしい人。
「あれ、スーツ…」
「そう。明日のご挨拶に。やっぱりちゃんとした方がいいかなって」
「そんな、良かったのに」
「そういうわけにはいかないよ」
結婚を申し入れるわけじゃない。
結婚を前提とした同棲の許しをもらいに行く。
だけどご両親の目の前でなんて言葉を切り出そうかは、まだまとまってない。
「ふふ、嬉しいです。それに、」
「それに？」
「すごく…か、」
「か？」
「…っこいいです」
「ははっ照れながら言うから、恥ずかしいんだろ(笑) 」
そつなく何でもできるAが
心が打たれたり胸が詰まると、そっけない態度を取る。
分かりづらくて、小悪魔的な駆け引きの何かんだろうかとか、付き合う前もどういうつもりなんだろうってやきもきしたけど。
一緒に過ごすようになってやっと分かった今は、彼女のチャームポイントだと思って僕の笑いのツボに変わった。
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フェデリカ(プロフ) - tomansanさん» ぐうぅ…胸がぎゅうってなるほど、こちらのコメント嬉しかったです(TT)久しぶりすぎて、更新ボタンを押すときは手が震えましたし、まさか2章の最後の短いエピソードを覚えてくださっていたとは。。本当にありがとうございます！！tomansanまた読みにきてください！ (2021年1月31日 18時) (
レス) id: bd4e4c346d (このIDを非表示/違反報告)
tomansan(プロフ) - フェデリカさん〜！続きをありがとうございます！DVDを貸すエピソード、ヒョクちゃんの察しがよく思いやりのある描写がとても素敵だなぁと思っていたので、今回その時の心情を絡めたお話が読めて嬉しかったです！これからも楽しみにしております！ (2021年1月31日 13時) (レス) id: 63ad547975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェデリカ | 作成日時：2020年6月24日 5時
