公演最終日【1】 ページ37
.
賑やかな打ち上げの場で、
ユノに任せてその輪から離れるように隅で自分のペースで飲みたい。
日本酒を手酌しようとすると、Aが徳利を持って傾けてきた。
「気遣わなくていいよ」
「遣ってないけど、主役がぼっちなんて変でしょう」
「これ、なんて書いてる？」
「ええと…" チャンミン、もう半袖？" 」
「これは？」
「 "遅くなったけど誕生日おめでとう" 」
「いや、1ヶ月前だし。」
用意された昼飯を食べながら
俺のインスタに投稿される
ビギからのコメントを、Aに訳してもらうのが日課だった。
さすがに読み書きはほとんどできない
。
それも今日で終わりだ。
2時間前に、ついにアンコール公演が終わった。
走り抜けた3ヶ月。
束の間の平日は都内に戻って
地方で飛び回った疲れを癒やして
傷んだ筋肉や喉を休めて、リセットして臨んだ。
ケガが無く終えられたことは、少なからずこいつも貢献してくれたと思う。
「ハーフって便利だな」
「二人とも、聞くのと話すのはネイティブレベルですよ」
ここ数日でやっと辛いものが出てくるようになった。
ユノと俺のリクエストをことごとく無視するから、
たまたまだとはぐらかすAを詰めて白状させた。
"胃腸と喉に負担が掛かるから" って理由で避けていたらしい。
正直な話
こういうふうに、なんて言うか
うっかり持ってかれそうになる瞬間が何度かあった。
ちょっかい掛けそうになるを、刹那的にやめようって自制が働くのは
親友の顔が浮かぶから。
あとは、意地。
こんなやすやすと絆されるわけないだろって自分の中で鼻で笑って。
「結局、敬語崩さなかったな。最初はタメ口だったのに」
「あれは…売り言葉に買い言葉だったから」
隠したって知ってる。
キュヒョンを安心させるためだろ？
一緒に酒を飲んだのも、それどころか食事を共にしたのも
引き合わせられたあの日以来無い。
「二次会、行くだろ？」
「それが、ちょっと難しそうで。
チャンミンさんは行くんですか？珍しい…」
じゃあ行かない。
てっきり行くの二つ返事だと思っていた。
「イェソンヒョン、元気？」
魔が差しただけなのに、俺は地雷を踏んだらしい。
ぱっとAの方を見ると想像してなかったリアクションだったから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 285人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みぃ(プロフ) - ドキドキしながらお話読ませていただいてます^^めっちゃ情景が浮かびます★続きも楽しみにしていますー^^ (2020年7月13日 7時) (
レス) id: 8a20d7ee05 (このIDを非表示/違反報告)
フェデリカ(プロフ) - アキナさん» ありがとうございます！！嬉しいです。2ヶ月も空いてしまっているのに、温かいコメント本当にありがとうございます！！昨日ちょうど4章の一話目を書き始めたので、今週からアップできればと思っています(^^)また遊びに来てください、お待ちしていますー！☆ (2020年6月22日 16時) (レス) id: bd4e4c346d (このIDを非表示/違反報告)
アキナ(プロフ) - こんばんは ひっそりとファンで読ませて頂いております。お忙しいことと思いますが、更新楽しみにしております☆ (2020年6月21日 22時) (レス) id: e981ced4a9 (このIDを非表示/違反報告)
フェデリカ(プロフ) - お変わりないようで安心しました！コロナで楽しみが少なく暇しております(笑)フィクションではHappyにイェソンさんも読者さんもめためたに幸せにしたい…！兄さんのひたむきなSNS更新が私も励みになっています。manmaruuさんも安全第一でお過ごしくださいねー！ (2020年4月3日 14時) (レス) id: 31c6de7297 (このIDを非表示/違反報告)
manmaruu(プロフ) - こんばんは！一話読む毎に本当に心が満たされて、フェデリカさんのおかげで免疫が上がっていると自信を持って言えます！！本編も深いお話もどちらも幸せな気持ちが湧き上がり大大大好きです(#^.^#)お忙しい中更新してくだり心より感謝しておりますー！！ (2020年3月31日 22時) (レス) id: 80fab98ded (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フェデリカ | 作成日時：2019年7月15日 17時
