先輩 1 ページ6
それに、やっぱ、転がり込んだ手前相変わらず遠慮がある。
いつ、出てけって言われるか・・・。
“あーーー！ケーザイ的に自立してー・・・”
いつもこの議題で悩む。
それに、この女。
一緒に暮らして判ったが、かーなーりームラ気な性格。
今みたいにベタベタ甘えてきたかと思ったら、何が気に食わないのか三日も口きかなかったり。
振り回される。
なんなんだよって。
でも別に疲れない。
結局この女にココロ寄せてないから。
ケッ勝手にしろって思うだけ。
“さとしはいつだって落ち着いてて・・・。側に居られて・・・。”
“智の側にいる時に受ける、不思議な安心感・・・。”
“満ち足り感・・・。”
他人に触れて、改めて智の偉大さが判ってくる。
でも、智に依存心があるので智の自分への無頓着ぶりに我慢できなくなっちゃったんだよなー。
好きでもないヤツとさっぱりと居るのがいいのか。
やっぱ、好きなヒトといるのがいいのか・・・。
わからん。
バイト先で手ほどき受けたギター。
自分用にがんばってギブソンJ-45買った。本当はそれ、一番最初に智に見せたかったのだが・・・・。
学校やゼミの集まりやらで忙しい女。
留守の時にせっせと練習。そのうちバイト先の先輩、(バンドマンの卵) と交流が始まった。スコア見ながらのコピーにも飽きてきた頃、その先輩が、
「今度のステージ、出てみない？」
って。
はぁ？
俺が？
って、オレ、な〜んにもできねーよ・・・って・・・。
「判ってる！ 3コードの繰り返しだけでいいから。バックで弾いてよ。コレ、楽譜。」
楽譜となんとレスポールスペシャル貸してくれた。
「すげー。いいいんですか？でも、俺、アコギしか出来ねーし。」
「だから、3コードだけだから。ね、簡単でしょ。」
じゃ、宜しくって・・・。
“なんか、なし崩しなこの感じ、前にもあったな。そーか。相葉さんの野球だ。いっつもこんな感じでバタバタ決まってったな。”
最近野球の集まりはさっぱり。
だから櫻井にも会う機会ないし。
智と櫻井がその後どんな風になったのか詳しくは判らない。
相葉からの乏しい情報によると、櫻井家から手伝いが来つつも続いてるって・・・さ。
ヘン！ だ！
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作者名：ランプ
| 作成日時：2015年1月29日 9時
