本気 1 ページ43
大野家についた。
グスリとしょんぼりの智くんに道々ニノの近況やら話した。
ニノが、今もしっかり “大野さん” を意識して想っているようだよって、励ました。
そんな事言いつつも、櫻井。
でもさ・・・。
オレだって。
ねぇ、さとしくん。
オレが、オレが居るじゃん。
って。
思っちゃう。
オレじゃダメなの？ さとしくん。俺、今、アナタの隣に、こんなに近くに居るんだよ。さとしくん。オレの事は？ねぇ、どうなの？
「ゴメン、翔ちゃん。カズ、頑張ってるんだね。オレも、負けないように頑張るよ。」
「そうだよ！」
笑顔になり
「ただいま〜〜〜！！」
っと、誰もいない大野家に元気に入って行った。
翔の涙ぐましさにこっちが感涙じゃ。
・
「やべぇ。疲れた。」
朝からずっとの稽古。ここんとこ休みない。松潤、つい、ぽつりとぼやく。でも、そこは完璧なオトコだ。人前で弱音なんか吐かないって決めてる。でも、口に出したい。だから、人気ない廊下の自販機前で。ドリンク選択。ピッ。ゴロゴロガラーーン。ドリンクが落ちて来たその音にまぎれさせるようにつぶやいた。
プシュ
ペリエ。
ゴクゴクゴク。
うまい。
「うん。疲れるよね。」
背後から声。
びっくりして振り向く。
大野。
「い、いつからいたの？」
「え？ まつもとくんが・・・自販機行くとこから・・・」
「え？後ろついてたの？」
コクンとうなずく大野。
「忍者？」
？顔の大野。
「全然気が付かなかった。」
あぁ、そうなの？ってカオの大野。
潤、思う。
この人はあまりコトバを発しない。表情で受け答え。なんだろ。不思議。省エネ？
大野、自販機前で思案顔。
「どうしたんですか？」
大野、指差す。そこ、今、自分が買ったペリエのトコ。“売り切れ” の赤ランプ。
「あ。」
自分のでラストだったんだ・・・
大野、自分の手に持ってるペリエをじっと見てる。自然、
「はい。」
差し出す松潤。
“ありがとう” 的にニッコリと受け取る大野。なんの躊躇もなく口付けてゴクゴクゴク。
・・・・・・。
間接・・・？
って・・・・・。
それに・・・・。
俺、あんま飲んでないのに、あ、あ、あ〜〜あぁ・・・もう、無くなっちゃうよ・・・
「ちょ、ちょっと、大野さん・・・
何？って顔の大野。
「い、いえ・・。いいや。それ、上げますよ。」
松潤、自販機向き合い、別の買う。
何故かそこにじっといる大野。
？
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作者名：ランプ
| 作成日時：2015年1月29日 9時
