勝負の唄 4 / A all the members (ページ40)

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さとしくん、さとしくん。キミってどうしてそんな佇まいなの？少し疲れてるの？口がとんがってるよ？
大勢のヒト達の中のさとしくんってなんか、守ってあげたいっていうか、やたら小柄だね！
今日着てるパーカー。ココんとこいっつも着てるね。気に入ってるの？何着ても良く似合ってて可愛いよ。
稽古は大変？眠そうな目してるね。やっぱり疲れてるんだね。伏し目がちな目がなんかいいね。まつげ、けっこう、長いね。さとしくん！
なんか、アナタってなんかいじくり回したくなるんだよね。ちっちゃい、オレの、小動物くん。こんなちっちゃい体なのに・・・・こんな地味な雰囲気なのに・・・・舞台では・・・。
不思議。不思議なヒト・・・。

「翔ちゃん、ご飯食べた？」

翔、ニタニタしながらさとし見てて心飛んでた。

「えっ？あーーー。そう言えば。」

「なんか食べて帰ろ。」

「そっか。そーだったら新宿でどっか行けば良かったね。」

「う～ん。俺、やっぱウチがいいな。」

「食べて帰るのは？」

「やっぱやだ。やめた。もう帰る。家がいいや。」

「全く。」

翔、メシの事、帰ってからの段取り、考える。

確か冷蔵庫にハムあったよな。キュウリあったっけな。あるだろう。素麺いっぱいあるし、それだったら直ぐ茹で上るし。それくらいならオレにも出来る。その間に材料千切りがんばろう。こないだ包丁で指切ったからちょっとビビるな。でも、頑張ろう。
なんか足りないな。色？プチトマトあったかな。アレだったら直ぐ使えるし。指も切らないだろう。で、タレだ。麺つゆあるよな。確か。

「麺でいい？」

「うん。」

じゃ、決まりだな。冷やし中華的素麺。決まり。で、そっちやってる間智くん風呂準備やってもらえれば・・・

翔、こんな事考えてるのが楽しい。
さとしくんとの遭難寸前の二人暮らしを “おっとっと” と、日々こなすのがなんか、いい。

ってか、いつかの同じシチュエーションでニノが献立考えながら同じように智の隣でつり革につかまってた事あった。どうして智の周りの人々は皆、世話を役く係になっちゃうのかな。

いつもの駅で下車。

「今日ね、ニノに会ったんだ。」

「え？」

「偶然に。しかも、偶然にお互い親に会った後！」

顛末話す翔。身振り手振りで興奮に。野球の事も。騒々しく語る翔。
智、し～～んとしてる。