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「そ。カーさん達には悪いけど、俺、もう一人でやってる。」
とは、こっち。
二宮。
アメリカからやって来たのだ。親達が。
妹連れて母親来日。久しぶりに我が息子に会いに来た。
母親達は自分達の各実家に泊まりがけで渡り、また直ぐアメリカに帰る予定。その間に我が息子和也に会いに来た。
飯田橋東口の喫茶店。
「大野さんから聞いて。アナタが大野さんちから出て行って、他のお友達が来てるって。びっくりしたわ。」
「先に言ってなくてごめん。」
「ケンカでもしたの？」
「いや。俺、ちょうどはじめた事あってさ。今はそれに便利な友達と一緒にいる。それより、トーちゃんなんか言ってる？ 元気？」
「元気よ。お父さんアナタの事はなんにも言ってないわ。」
「え？ なんにも？」
「そうなの。お父さんが知ったらまた・・・
「 “なにやってんだあいつは！？” って？
「そう。怒ると思ったんだけどね。」
「怒ってないの？」
「アナタの事結局は信頼してるのよ。側にいすぎて、自分もアナタにうっとうしかったんじゃないかって。」
「へ、へぇ〜〜・・・・
「お父さんも子供の頃実家に反発して家出同然で地元から東京に勝手に飛び出したりしてたから。気持ち判るんじゃないかしら。」
「トーさんが・・・・
「知らなかった？」
「全然。だって、そんな話出なかったし。」
「あんまり話とかしなかったわよね。そう言えば、そう言う話とか。」
「そうだね。」
「会話のあまりない親子だったし、たまに話せば気持ちのすれ違い、ぶつかり合い。」
「へぇ。冷静な分析じゃん。」
「今更だけどね。離れて、時間置いて、そのせいかしらね。」
「そうかも。オレもかな。」
「アナタが不登校で引っ込んでた時は尚更お互いダメだったわね。」
「かもね。」
「だから、トーさん、アナタが今何やってんのか判らないけど、何でも自由にさせたらいいって。」
「マジで？」
「ただし、何でもいいからちゃんとやれって。そう言えって。」
「へぇーーー。変われば変わるもんだ。オヤジ・・・」
「やっぱ、離れた方が良かったのかしらね。男同士は特に。」
「かもね・・・。」
「で？ 元気そうね。」
「うん。」
「生活は大丈夫なの？」
「ま。なんとかね。」
「勉強はしてるの？」
「うん。ガッコーのじゃなくなっちゃったけど。」
「どういう意味？」
「学校の勉強とは違うけど、勉強は、日々、してる。」
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作者名：ランプ
| 作成日時：2015年1月29日 9時
