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「オレね、思い切って、Jプロの事親に言ったの。」
「え！？ 言ったの？ 早速・・・・？ はぇ〜〜〜〜・・・。」
「なんか、じっとしてらん無くてさ。」
電車が滑り込んでくる。
乗り込む。
「すげ〜〜〜。で？ 親、なんて？」
翔、それこそ聞きたい。
だって、実は自分も今日、親に会う予定。
指定校推薦の先生へのお願いはすんなり通った。ほぼ決まりになりそうだって言われた。でも、決定からの事後承諾の手は止めて、やはり先に親に話し通しておく事にした。朝になってから冷静な頭で導き出した答えがそれ。
相葉の返事が頼りになるってか、予行練習の一環になる・・・な。
「いいよって。」
「え？ それだけ？」
「うん。」
「何にも言われなかった？」
「うん。」
「そんな・・・。だって・・・。怪しいんじゃないかとかさ、あと、進学のこととかさ・・。」
「うち、自営じゃん。二人とも忙しいしさ。ま、ヒトの道外れなきゃ何でもいいって感じ？ 成績だってそんな期待されてねーし。あ、そりゃ、いいに越した事ねーけど。」
「へぇ〜〜〜。そーなんだ。よかったじゃん。」
翔、ホントに “良かった” のか、判らないが、とりあえずそんな事しか言えない。
「でもね、翔ちゃん。すんなりOKで、なんか、逆に厳しい感じがした。」
「厳しい？」
「うん。自営ってさ、頼れるのは自分だけじゃん。甘くないってか。ま、自営に限らずなんでもそうだけどさ。オレも、遊び半分でやってさ、周りに迷惑かけたりとか、・・なんか？ セキニン？ 甘く見るなって感じ？ 上手く言えねーけど、なんか、そんな事感じた。」
「へぇ・・・・。」
「オレ。迷っちゃう。」
「ふぅん。」
「やっぱ、ちゃんと進学はきっちりやりたいかな。なんか。」
「ふぅ・・・ん。」
しばし無言。
翔の駅に到着。下りない翔。
「あれ？ 翔ちゃん下りないの？」
「うん。今日、実は、オレも、親にカミングアウトしに行くんだ。」
閉まるドア。
指差し確認。
出発進行。
ガタン、ガタン、ガタン・・・・
「何を？」
「指定校推薦取るって。〇〇大学の。」
「スゲー。翔ちゃん。さすがーー。〇〇大学ってスゲェじゃん。」
「親ね、ホントは他の大学希望しててさ。オレも、そこ行こうと思ってたんだ。ホントは。」
「スゲーよ。先生なんて？」
「9割OKだって。」
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作者名：ランプ
| 作成日時：2015年1月29日 9時
