ドーム 1 ページ28
キーンコーンカーンコーン〜
今日の学校もヘーボンだった。
今日は特に。
3年とは言えこの時期はまだまだ授業は有るし、でも、窓から差し込む日差しが眠気を誘うし、で、何とも緩くなる。
“次々襲いくる普通の日々” (トーチ)
そのフレーズにピッタリ・・・・
って。
ぶるんぶるんと頭を振る翔。
平凡？ いいや、それどころか今日は勝負の日なのだ。
「翔ちゃん、帰ろ。」
「あ、うん。」
相葉と他数名。最近固定されてきた帰り組。
「あーーだり〜〜。
「オマエ今日バイトだったっけ？
「店長が出てくれって言うからさーー
「それよか今日の “数テツ” ヤベーよな。
“数テツ” とは数学の先生のアダ名。授業中の数学の話でたとえ話の脱線が多いこの先生。
“キミたちも鉄の意思を持って〜”
とか、
“鉄のように強く〜”
など、やたら “鉄” というコトバを使うので付いた。
最近の脱線話のテーマはこの学年らしく “将来” だ。生徒らはだいぶうんざり。
今日の数学の授業の時。やって来た“数テツ”。なんと頭に包帯がグルグルと巻いてある痛々しい姿で登場。
生徒が早速食いつく。
「どーしたんですか？」
“その頭”って、言った生徒自分の頭差しながら。
好奇心 & 眠たかった目が覚める
「あぁ。今日、風、強かったろ？ 先生、来る途中でね、木が倒れて来て〜(話)」
つまり、腐りかけてた街路樹が強風に煽られ倒れ、その巻き添え食ったって。生徒ビックリ。
「先生！ 大丈夫なんですか？
数テツ、頭に手をやりながら、
「うん。ほら、手当てしてもらったし。ちょっと学校来るの遅れちゃったけど、なんとかね。」
生徒ざわつく。
休めばいいじゃん。
ってか、マジ、大丈夫なの？
血がにじんでない？ なんか、端が赤いよ・・・
「校長先生に休んでいいって言われたけど、大事な時期でしょ。今。キミたちもがんばってるからさ。先生も頑張らなきゃって・・・・
生徒、それさえぎって、
「鉄の意思で？
先生、嬉しそうに、
「そ、そうそう。じゃ、はじめるから。え〜っと、このクラスは何処までやってたっけ・・・
「66ページですよー
「あ、66ページね。・・・・。そんなにやったかな〜。」
うん、うん、などと頷きつつ、
「じゃ、66ページ、一次関数と、グラフね。」
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作者名：ランプ
| 作成日時：2015年1月29日 9時
