二宮 1 ページ17
二宮。
女の部屋。夜。
一人練習してる。
ガチャ。
「たらいま〜〜〜
女が帰って来た。
酔っぱらってる。
ドサドサと手荷物、ほっぽり、服、脱ぎつつ、ほっぽりながら、
「あ〜〜〜。きもちわるい〜〜
と、洗面所へヨタヨタと。
やれやれ、と、二宮、立ち上がり、
「オイ、大丈夫かよ。」
女、モドしそう。
「うぇっ。
手を振って、“あっち行ってて”って。じゃぁって部屋に戻る二宮。もらったレスポールをシャカシャカかき鳴らす。
一人でやるメリットは色々あるけど、スタジオ代が掛からない事ってデカイよな。デメリットは・・・。まぁ、色々あるさ。そりゃ。
もらったレスポール。くれただけあって一部に亀裂が少し入ってた。でも、自分には問題ない。
アコギと違ってアンプに繋げなければ音を気にしないで練習できるのがうれしい。手が小さめな自分。何とかがんばれば押さえられる。左利きはラッキーだったのかどうか判らないが器用に押さえられる。だいたい左用にしろって意見耳に入る前に右用持っちゃったし。強烈なレフティーでもないので何とかなってるのかな？でも、細かいアルペジオとかまだまだ全然だな・・・。
目を閉じてテキトーなコード、気持ちのまま弾き流す。
イメージが浮かぶ。
“彼” の・・・。
あったかい感じ・・・。
あったかい、かわいいメロディーが浮かぶ・・・
「ねぇ！
「おっ・・・なんだよ・・・
目を開ける。
自分の世界に浸り切ってたから女のこと忘れてた。
女、ニノからギターを取り上げて、
「こんな事ばっかりして。アタシの事も見てよ〜〜〜
と、ゴロッと転がる。
そのまま。
寝た？
「おい、こんなとこで寝るなよ。」
ゆさゆさ。
ダメだ。
完全に酔いつぶれてる。
まいったな・・・。
なんとかベッドへ移動させた。
ぐーすか寝てる女。
化粧落とさなくていいのかよ・・・
服、着替えなくていいのかよ・・・
まったく。
部屋を見渡す。
女は外見によらずガサツ。
片付け下手。ってか、しない。
物が山になってく。
互いに遠慮があった時期はそうでもなかったが、次第にその性質が開示されたのだ。
ニノがやれやれ、って手を出してたが、機嫌の悪い時に 「勝手に触んないでよ！」 なんて言われてからやめた。
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作者名：ランプ
| 作成日時：2015年1月29日 9時
