勝負の唄 4 / A all the members (ページ14)

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潤　1 ページ14

ベッドへ潜り込む。
すっかり人肌で暖まっててホカホカ。
って。
ん？
何で？

「さとしくん、もうちょっとそっち行って・・・

うぅ～ん、と、寝返りながら端へ移動の智。

って、どーいうこと！？

実は、最初の夜に智が潜り込んでからずっと・・・一緒に寝てるのだ！

ニノが知ったら・・・・爆発するカモ・・・・

最初はどーしたもんか・・・と、戸惑ってた翔だが、今や日常になってる。

なにしろ寝相がめっぽう悪い翔。
智を蹴飛ばしたり布団を蹴飛ばしたり。
絶対誰かとなんか一緒に慣れないって判ってる。
でも、断っても潜り込んでくる智。
朝になって隣にちゃっかり寝てるの発見するうちあきらめた。

『猫みたいだな。この人。』

毎日布団が足元に行方不明になっていたり、どっちかが落っこちてたりなのに。

いつも、いつも、一緒に寝てる・・・・。

・

今日もハードだった、浅田の稽古。
窓も無い広いスタジオ内で延々と。昼か夜かも判らないエンドレスな感じ。

浅田は自分の設定の “カルメン的マリア” に到達させようと大野を厳しくしごく。怒りっぽくて実際コワい浅田は当然皆から恐れられてる。業界では浅田の恐怖の指導は有名だ。
でも、それ、なぜか、大野には通用しない様子。
浅田がどんなに怒りの形相作っても怯えない。
Kでさえ浅田の指導には緊張なのに。
周りは浅田にそんな態度が出来る大野にビックリだし何気な尊敬も芽生える。

しかし、態度だけではない。与えられた課題は浅田のイメージ以上に表現してくる大野・・・。なので、浅田のイライラは他の人へ向いちゃう。大野の変わりに誰かが怒られる。
今日も他の人が犠牲になってた。
大野がしれっとした態度をとりつつも完璧、いや、それ以上に表現する。怒りどころが無くなり
“態度が悪い！”
って、大野にコーヒー投げつける。
が、他の人がそれを庇い・・・。
ビショビショに・・・。
ドスドス足音を響かせ練習場を出てく浅田。
浅田が居なくなり空気が緩む室内。
一旦休憩になった。

大野の変わりにコーヒーかぶった人に “大丈夫？” と、人がたかる。大野は何故か無関心。K、浅田のとこに移ってからの大野の変化に色々驚く。

「サトシ。」

「ん？」

「いいのかよ？」

K、親指で身体拭いてる犠牲者を親指で指す。声かけなよって。一言お礼言いなよって。