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「ところで…何でおめぇは倒れていたんだ?」
ノルウェーベットの上に腰を掛けながら気になっていてことを問うた。
彼の問い掛けに彼女は短くため息をつく。
「実は私…国なんです。あなたと…ノルウェーさんのすぐ近くにある。名をAといいます。」
「は……?」
ここ最近で一番素っ頓狂な声が出た瞬間だった。
彼女が国だったとは、知らなかった。
「いや、私はつい最近国になりました。それもとても小さな国です。ほとんど誰もその名を知りません。それまではミクロネーションみたいな扱いでしたし…」
Aは毛布をぎゅっと握りしめ目を伏せた。
そして続ける。
「しかし、国として成立した瞬間、内戦、経済悪化などが伴いまして…私も食べていけるものがなくなりました。情けないですよね。国なのに民を守れないなんて…」
彼女の目は潤み、やがて大きな雫が一粒溢れた。
「あっ…すみません、お見苦しいところを…」
声を震わせながら恥ずかしそうに俯いた。
彼を心配させたくないのだろう、口元は静かに笑っている。
「んなことねぇ。いぎなり国として生きるのは難しいことだから、少しずつ慣れるといいべ?」
ノルウェーは彼女の目元に手を添えて、涙を拭き取った。
そして、彼女の骨ばった肩をぐっと掴んだ。
彼女は突然の出来事に目を丸くした。
「あ、あの…」
「よし、おめぇ、俺の領地になるべ。色々助けてやる」
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すずこ(プロフ) - ノルシャさん» ノルくんの小説少ないですよねえ…。コメありがとうございます!頑張ります。 (2017年4月15日 21時) (レス) id: 0e4c91a486 (このIDを非表示/違反報告)
ノルシャ(プロフ) - 私ノルウェー領なんです!ノーレの小説書いている人少ないんでありがたいです。これからも頑張って下さい!! (2017年4月10日 17時) (レス) id: b860529f0f (このIDを非表示/違反報告)
すずこ(プロフ) - 桜 水樹さん» コメありがとうございます。ノルくん最高ですよね! (2017年4月9日 5時) (レス) id: 0e4c91a486 (このIDを非表示/違反報告)
桜 水樹 - ノルウェー最高…ごはぁっ!!(吐血) (2017年4月9日 3時) (レス) id: 0aefdd481f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すずこ | 作成日時:2017年4月7日 10時