赤毛の少年に拾われたっ！件 (ページ5)

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お風呂、と言うか水浴びから帰ってきた少年は衣服はボロボロでもその端正な顔立ちが良くわかった。
つい手を伸ばし少年の顔を自分の顔に近づける。

「ど、どうしたんだい？」

「いや、少年、綺麗な顔してるなって」

切れ長な金色の瞳、薄い唇、鼻筋の通った顔立ち。
肌は白く、赤い髪も柔らい。

「きっと将来は美人さんだ」

「...Aはボクと寝たいの？」

「寝たい？」

「あぁごめん、ボクを買いたいのかって意味」

「！」

そうか、この子の日常ではそう言うこともあるのか。

「そう言う訳じゃない。ただ人って、綺麗なものを見るにが好きだから」

「そうなんだ」

「うん...」

テレビやドラマでは良くある話だが、いざ目の前にその話が落ちてきたら何を言えばいいのかわからないし何も言わない方がいい気がした。
好きでやっている、生きるためにこれしかないからやっている、理由は人それぞれだ。
他人が口出せるものではない。
家族ではないのだから。

「それじゃあ、私も水浴びに行こうかな」

「あ、これタオル」

「ありがとう」

タオルを渡され、お礼も兼ねて頭を撫でる。
それから家を出てすぐ、川に降りる小道がありそこをおりていく。

「っ冷たっ...」

外気温が暑いが川の水は冷たたかった。
岩場の影で水の中に足をつける。

「んっ...ふぅ...」

水を掬い体にかけていく。
同じ動作を繰り返しながら、先程の会話を思い出す。

「...やっぱり養われるわけにはいかないな...」

明日街へいったら帰る手段はなくとも、何か仕事がないか探してみよう。
目的を定め、川から出た。
少年に借りたタオルで濡れた髪や体を拭き家へと戻る。

「タオルありがとう、助かったよ」

「ふふっどういたしまして」

私からタオルを受けとると、窓の近くに垂れているロープにタオルをかけた。
窓の外はもう暗いが、あの街の照明が辺りを照らしている。

「ボクはもう寝るけど、Aはどうする？」

「私も寝るよ。今日はいろいろあったし、明日も早いから」

「それがいいと思う。じゃあAは先にベットで寝てて、ボクはもうひとつ布団持ってくるから」

「それなら私が下で寝る」

泊めてもらう身で申し訳ない。

「大丈夫、ボクは下で寝慣れてる。それよりAがベット使った方がいいよ、アナタ、今日は脱水症状で倒れたんだから」

「...それは、そうだけど...」

そのまま少年に言いくるめられてベットにはいる。
少年に言い負けて消化不良だ。