赤毛の少年に拾われたっ！件 (ページ2)

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目が覚めるとベットの上にいた。

「なんか、疲れる夢を見たわ...」

その夢のせいなのか頭が重く、倦怠感が体にまとわりつく。
くらくらと視界が揺れるのに耐えながらベットからおりた。

「っ」

立ち上がると同時に眩暈によって床に座り込んでしまう。
何だってこんなに体調が悪いのか。
それに喉がカラカラで水がのみたい。

「はい、お水」

「っ！、ありがとうっ」

目の前に差し出されたグラスを受け取り喉に流し込む。

「アナタ脱水症状を起こしていたみたいだね」

「っぷは～...そうなんですか...」

どうりで、体調不良なわけだ。
水がうまい。

「だから、まだ起き上がるのは良くないよ。それ飲んだらしばらくは寝ていて」

「あ、はい、わかりました.........え？」

「え？」

「え」

「どうかしたかい」

「っん...ぅぐっ、ごほっごほっ...！」

ようやく今の状況に気づき、その驚きで飲んでいた水が気管支へ入る。
むせてうまく息の吸えない私の背中を赤毛の少年がさすってくれた。

「何で君がっ...ごほっ...え、夢じゃっ...けほっ...？」

「夢？何言っているんだい？アナタが気絶したから運んだんだけど」

「君が、私を？」

「そうだよ？」

目の前でにこりと笑う少年。
しかしその腕は成人女性を運べるとは思えなかった。

「それより、もう痛くはない？ボク自分の手当ては慣れてるけど他人にしたのは初めてだから」

「？」

不思議に思う私に、少年は腕と足を順に指差した。

「そういえば...痛くない、かな？」

「そう、良かった」

私の返事に少年はにっこりと笑う。
その表情に昔読んでいた漫画のキャラクターの面影を見た気がした。

「あ、助けてくれてありがとう」

「どういたしまして」

「......」

「......」

沈黙が気まずい。

「えっと、それじゃあ私は帰るよ」

「帰る？」

「うん、助けてもらってこれ以上迷惑はかけられないから」

「軽い脱水症とはいえ、まだ動くのは無理だと思うけど」

「...君は小さいのに良く知っているね」

つい無意識に心配してくれる彼の頭を軽く撫でる。
少年の赤い髪はどうやら地毛のようで柔らかい。

「っ！」

「ご、ごめんね、驚かせちゃったかな？」

「ううん、大丈夫」

「じゃ、じゃあほんとにありがとう」

少年の頭から慌てて手を離し立ち上がる。
しかしふらついてしまい、少年が支えてくれた。

「あはは、ほんとにごめんね」

「ねぇ、お姉さん」

「ん？」

「アナタはどこへ帰るの？」