Ep.2,,,レッドカラントの蜂蜜 ページ5
少し休憩を挟んだあと店に戻るとカウンター席に一人、見知った美しい男性が座っている。
「知っている彼」よりまだその髪は短い。
平時と変わらず無表情に見えるがどうやら機嫌が悪いようだ。
「いらっしゃいませ、イルミ様」
「...」
「ご注文は？」
「...」
無視...。
おっと、営業妨害か？
「イルミ様？」
「...」
あ〜、これは何があったのか聞いて欲しいやつだ。
面倒だが、イルミ·ゾルディックは大事な常連客。
「それでは、少々お待ちください」
ブレンド珈琲を苦めに抽出し、カップに注ぐ。
そして、プレートに珈琲セットをのせ彼の前に置いた。
「こちら、ブレンド珈琲とレッドカラントの蜂蜜、付け合わせにプティフールをどうぞ」
「頼んでないけど」
「どうぞ召し上がってください」
レッドカラントの蜂蜜は酸味が強い。
苦い珈琲に酸味とほのかに甘さが加わりちょうど良いだろう。
珈琲カップに口をつけたイルミは少し目を細めた。
「まぁ、飲めなくないね」
「恐れ入ります」
「...」
「イルミ様、レッドカラントの花言葉をご存じですか？」
「さぁ、花に興味はないね」
「「貴方の不機嫌が私を苦しめる」」
レッドカラントの花言葉。
そしてもうひとつは「私が貴方を喜ばせる」。
「私でよろしければお話し頂けたらと」
ヒソカには「お客様のプライベートに当店は一切関知いたしません」といったが、イルミは別だ。
ゾルディック家とはギブアンドテイクの関係がある。
「...俺今度20歳になるんだけど」
「はい、存じております」
「だよね、誕生日プレゼント期待してるよ」
「...それで如何されたのですか？」
「お見合いの話が持ち上がっててさ、それを断りたいんだよ」
「断れない理由でも？」
あのイルミだ。
嫌なら嫌と断るだろうし、何なら相手に針を指すだろうさ。
「それが相手方は乗り気でね、それに家柄的にも対等だから殺して尾を引くのは避けたいわけ」
「さようでございましたか、それはお悩みでしょう」
「だから、一つ要望があるんだけど」
「はい、当店でできることならなんなりと」
たぶん最初からこれが目的だ。
イルミやイルミ以外のゾルディック家のご要望はうちの収入の大半を閉める大事な依頼。
「相手側から断らせたい、A、お前ならできるよね」
「はい、問題ありません」
ゾルディック家の求める要望は基本的に暗殺では目的を果たせないもの。
家業と関係のない問題は大抵うちに持ってくる。
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ユ - お、面白すぎる、、、！貴方様は物語を考える天才ですか！？ (2022年9月26日 16時) (
レス) @page31 id: ab3a56c6fc (このIDを非表示/違反報告)
むちょ - 言葉では表せられないぐらいとても素敵な小説でした！なんとも言えない空気感がとても好きです。 (2022年8月19日 1時) (レス) @page31 id: cded16a817 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - でぶきさん» コメントありがとうございます。 (2022年8月1日 20時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)
でぶき - あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ (2022年6月26日 12時) (レス) @page28 id: 804c35253a (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ユウさん» そう言って頂けて嬉しいです。しかし、ごめんなさい、まだ完結していません。長く更新していないのでたぶん誰かが完結してるとしてしまったんだと思います。今は別の作品を進めているところです。またしばらくしたら更新していく予定です。 (2019年11月29日 0時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：００ | 作成日時：2019年6月9日 0時
