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挑発するようにヒソカに向けて笑った。
「酷いねぇ、ボクのことそんな風に思ってたのかい？」
「残虐な戦闘バカで、倫理観がぶっとんでて、変態的に狂ってるヤベー奴とは思ってるけど」
「ふふっ、思うだけにして欲しいな」
ヒソカは最後の一口を飲み干す。
ゆっくりとした動作でグラスを欄干の上においた。
「それで？貴方が知ってる“僕“なら、このあと僕にどうされると思う？」
きっとこの回答を間違えたら殺される。
でも、答えはわかりきっていた。
私が知ってるヒソカは殺人狂ではない。
殺人は結果であって、ヒソカにとっては戦うというプロセスが重要だ。
とはいえそこら辺の石ころを蹴る感覚で殺されることもある。
つまり
「『知るかバーカ』！！」
「！」
気まぐれに人を殺せるヒソカの、”人を殺せる気分”なんぞ私にわかるわけがない。
「あは、あはははっ！ん〜...はぁ、うん、僕は貴方のそういうところが愛しい」
「そりゃどーも」
まぁ、今この瞬間は良くても1秒後も同じとは限らないのが困りものだがな。
私も残っていた酒をいっきに呷った。
「さて、今日はもうお開きだ、遅いから泊まってけ」
「え、良いのかい？」
「あぁ、構わねぇよ...ふぁあぁ」
「同じベットで？」
「ソファーで寝ろ」
軽く伸びをしながら部屋に戻ろうと足を向ける。
「A」
「あぁん？」
「好きだよ」
「─────」
酔った心地よさと共に自室へ向かい、ふかふかの布団に入ると意識はすぐに遥か遠くなった。
「貴方って本当に僕を煽るのが上手だなぁ」
一人残ったベランダで、ヒソカはまだ夜風に当たっている。
欄干に置いたグラスの縁を指でなぞりながら笑みがこぼれていた。
ヒソカの言葉に対してAの返答は
『知ってる』
それだけをいって”あっかんべー”と舌を出す。
「僕の予想の斜め上を行くよね」
路地で踞っていた”彼女”に声をかけたのは面白そうだったから。
みすぼらしい姿にしては理性的な目をしていたのが印象的で覚えている。
訳ありにしては怯えもなく、ホームレスにしては諦めもなく、自暴自棄にしては意志があった。
暇潰しにと思ってたらいつの間にか手放せなくなっていた。
(可愛い人...)
テーブルに残ったグラスと透明の空き瓶に視線を移す。
「ロークワットハニーミード」というラベル。
「ロークワット...枇杷、か...」
枇杷の蜂蜜。
濃厚な甘みと、華やかでフルーティーな香り。
花言葉は「貴方に打ち明ける」。
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ユ - お、面白すぎる、、、！貴方様は物語を考える天才ですか！？ (2022年9月26日 16時) (
レス) @page31 id: ab3a56c6fc (このIDを非表示/違反報告)
むちょ - 言葉では表せられないぐらいとても素敵な小説でした！なんとも言えない空気感がとても好きです。 (2022年8月19日 1時) (レス) @page31 id: cded16a817 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - でぶきさん» コメントありがとうございます。 (2022年8月1日 20時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)
でぶき - あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ (2022年6月26日 12時) (レス) @page28 id: 804c35253a (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ユウさん» そう言って頂けて嬉しいです。しかし、ごめんなさい、まだ完結していません。長く更新していないのでたぶん誰かが完結してるとしてしまったんだと思います。今は別の作品を進めているところです。またしばらくしたら更新していく予定です。 (2019年11月29日 0時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：００ | 作成日時：2019年6月9日 0時
