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「そういえば最近ここでイルミに会うことがないけど、今彼って忙しいのかい？」
「他のお客さまについてはお答えしかねます...といいたいところですが、イルミ様から伝言をお預かりしています」
「伝言？」
「はい、こほんっ『この店に来てまでお前と会いたくない』とのことです」
「そうなのかい？残念」
「寂しいなぁ」と口許に指を当てあからさまに悲しむ。
しかしこの男の性質上、こう言うとき口にする言葉に対した意味はない。
「言ってみただけ」なレベルだ。
「...ねぇA、知ってる？イルミってさぁ今年確か20歳になるんだって」
「はい、存じております」
イルミとはヒソカ程ではないが、知り合いのなかでは付き合いが長い方だ。
出会ってから何回か誕生日を祝った記憶がある。
「それで、Aは何歳なんだい？」
「個人的な質問にはお答えしかねます」
「...A、ほんとに何も教えてくれないよね」
「そうでしょうか」
「そうだよ。アナタは出会った時から姿は変わらず、年齢も不明、性別だって本当のところはわからない。ただ一つアナタが自分について明かしたのはAという名前のみ」
ヒソカは少し不満げに、しかし楽しげに言葉を紡ぐ。
ただ数年たった今でも最初と変わらない姿に一番驚いているのは私自身だ。
それに「自分について明かしたのはAという名前のみ」のついては理由があるのだが、また別の機会に話すとしよう。
「お待たせ致しました、どうぞ」
ヒソカと他愛ない話をしながら紅茶を入れ終わり、ティーセットをプレートにのせ彼の目の前に置いた。
「こちら、ダージリンとクリスマスツリーの蜂蜜でございます。お好みでミルクをどうぞ」
「クリスマスツリーの？」
「はい、クリスマスツリーの蜂蜜はキャラメルのような濃厚で甘い味わいでございます」
「へぇ...」
ルビー色の蜂蜜が詰まった小瓶を、光に透かすように持ち上げ興味深げに見つめる。
「それじゃあ、いただくよ」
赤い水色のダージリンに赤い蜂蜜を注ぎ混ざり合う。
そして、カップの取っ手をつまみ口に運ぶヒソカは容姿と相まってなんとも優美に映った。
「ん、美味しい」
「恐れ入ります」
「美味しい」と賞されることは店長として最大の喜びであるのは間違いない。
改めて姿勢を正し頭を下げた。
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ユ - お、面白すぎる、、、！貴方様は物語を考える天才ですか！？ (2022年9月26日 16時) (
レス) @page31 id: ab3a56c6fc (このIDを非表示/違反報告)
むちょ - 言葉では表せられないぐらいとても素敵な小説でした！なんとも言えない空気感がとても好きです。 (2022年8月19日 1時) (レス) @page31 id: cded16a817 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - でぶきさん» コメントありがとうございます。 (2022年8月1日 20時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)
でぶき - あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ (2022年6月26日 12時) (レス) @page28 id: 804c35253a (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ユウさん» そう言って頂けて嬉しいです。しかし、ごめんなさい、まだ完結していません。長く更新していないのでたぶん誰かが完結してるとしてしまったんだと思います。今は別の作品を進めているところです。またしばらくしたら更新していく予定です。 (2019年11月29日 0時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：００ | 作成日時：2019年6月9日 0時
