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そう言葉を残し、アキレアの蜂蜜を受け取ったヒソカは店を出ていった。
「本当に見てわかるといいですが...」
さてヒソカも帰ったことだし、少し早いが閉店するか。
部屋に戻るとイルミがソファーでくつろいでいる。
制服は床に脱ぎ捨てられていた。
「はぁ...イルミ、指はどうだ？」
「あぁ、別にこれぐらい平気さ」
「見せてみろ」
隣に座りイルミの指を見ると小さく水膨れができているようだが、明日にはそれも治るだろう。
確かに対した傷ではないが。
「イルミ、悪かった」
「は？何が？」
「契約は元に戻す、好きに過ごしてくれ」
「何勝手に話進めてるわけ」
「っ？」
イルミの顔が急に近付けられて驚いた。
「俺との契約甘く見すぎ」
「甘く見てる訳じゃ」
「俺は甘く見てた、接客ってあんなに面倒くさいんだね」
おい、こいつ、今さらっと言ったな。
「でも、契約は契約だし、途中でやめるなんてあり得ない」
どうやらイルミはまだやるつもりらしい。
まぁ、契約したからには私もできたら全うしたいと思っている。
「それに、」
「？」
「俺、制服似合うしね」
「ふっ、そうだな。確かに似合ってた」
笑いつつソファーを立ち、イルミが床に放置した制服を片付けた。
「さて、雇い主のイルミ様、今夜は何をご所望で？」
「最高級A5ランクの牛肉」
「んなもんねーよ、何風がいいかって話だよ」
「あ〜...イタリアン」
「はいよ」
ネットでレシピを探し適当に作る。
料理は得意ではなかったが、ヒソカに教わり不味くない程度にはできるようになった。
「これ、食べたあとに何かに入れて飲め」
「蜂蜜？」
「ヒソカに渡した残り」
対象者はイルミに上書きした。
露骨に「ヒソカに渡した残りかよ」と顔をしかめるイルミ様。
イルミは表情筋が死にかけてはいるが、慣れれば表情の変化を見分けられる。
「「アキレア」だっけ？」
「そ、神話における戦士アキレスが兵士の傷を癒すために用いたとされることが名前の由来」
「ふーん。───っ！？」
瓶の蓋を開けると鼻を押さえて顔を背けた。
「言い忘れたけど、臭いとか味がきついから」
「お前、絶対確信犯だろ」
「はっはっは、何のことかわかりかねますね」
不機嫌に眉を寄せたイルミを笑い飛ばす。
すると、
「っつ！」
顔の横を一本の針が掠め後ろの壁へと刺さった。
「A、何か他に言い忘れたことある？」
「...悪かった」
ちなみにアキレアの花言葉は「治癒」。
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ユ - お、面白すぎる、、、！貴方様は物語を考える天才ですか！？ (2022年9月26日 16時) (
レス) @page31 id: ab3a56c6fc (このIDを非表示/違反報告)
むちょ - 言葉では表せられないぐらいとても素敵な小説でした！なんとも言えない空気感がとても好きです。 (2022年8月19日 1時) (レス) @page31 id: cded16a817 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - でぶきさん» コメントありがとうございます。 (2022年8月1日 20時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)
でぶき - あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ (2022年6月26日 12時) (レス) @page28 id: 804c35253a (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ユウさん» そう言って頂けて嬉しいです。しかし、ごめんなさい、まだ完結していません。長く更新していないのでたぶん誰かが完結してるとしてしまったんだと思います。今は別の作品を進めているところです。またしばらくしたら更新していく予定です。 (2019年11月29日 0時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：００ | 作成日時：2019年6月9日 0時
