Ep26「守るForthStage1」 ページ27
三次試験終了間際、ギリギリでゴン君達がゴールした。
試験開始前には大勢いた参加者も今では数える程度。
(ぁ...何か、嫌な感じ...)
他の参加者が実力で残っている中、私はヒソカさんに助けてもらってばかりだ。
「__、A?」
「え、あ、すみません、何ですか?」
「...ううん、何でもないよ」
「そうですか」
「(ふ〜ん、真面目だねぇ)」
そして、少ししてから四次試験の説明を受けた。
内容はざっくり言うと『自分の番号を守ること。対象の番号を奪うこと』。
四次試験会場までは船で移動するらしい。
「A、君の番号は?」
「えっと、350番です。ヒソカさんは?」
「秘密」
口許に人差し指をあて微笑む彼は無邪気で、だけどどこか嘘臭くて。
水に映る月の如く、
「...ずるいです」
掴み所のない人だ。
「ごめん、ごめん。だけど君が無茶しないとも限らないし」
「そんな危ない無茶なんて」
「ボクが側にいるわけでもないしね」
「え」
「あ、ほら、もうそろそろつくみたいだよ」
「え?え??ヒソカさん?!」
「スゴいミドリでイッパイだネ〜」
とんでもない棒読みですけど?!
「たまにはボクから離れて息抜きでもしなよ」
「三次試験でも別行動でしたよ」
「そうだっけ?」
「そうですよ」
「そう、ちゃんと覚えてて良い子だね」
そうやっていつも通り頭を撫でられる。
とは言えこんなことでは誤魔化されない、が、ヒソカさんには何か考えがあってのことなのだと思う。
なので、誤魔化されておく。
「わかりました」
「うん、うん、素直な子にはちゃんとご褒美あげないと」
「ご褒美ですか?」
「そ、ボクが側にいない代わりに、助っ人が来るから」
「彼に何でもおねだりしていいよ」と言うヒソカさん。
どこかでくしゃみをする音が聞こえた気がした。
「助っ人ってもしかして」
「君も知ってる人」
「やっぱり、じゃあ、い」
「イルミさん」と言い終わる前にヒソカさんの指が私の唇に触れる。
「彼ね、変装しているんだ。家出した弟を連れ戻すんだって、だから」
「内緒ね?」、そう、耳元でささやかれた。
吹きかかる息がこそばゆい。
「わっ、わかりましたっ!」
鼓動が早い。
急いで距離をとり、深呼吸で落ち着かせる。
それからすぐ船が止まった。
最初にヒソカさんが呼ばれ、次に301さん、そして私だ。
「それで、えっと、助っ人さんはいつ...」
「いるだろ?そこに」
「え?」
ヒソカさんの指差す先には、
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作者名:00 | 作成日時:2019年5月25日 12時