始まりはEndRoleから (ページ25)

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Ep24「降るThirdStage1」ページ25

次の試験は「トリックタワーを降りる」。
といわれたが、ドアも何もない。

「A、こっちにおいで」

「ヒソカさん、これって一体...」

「床に仕掛けがあってね、踏むと開くようになっているんだよ」

ヒソカさんの説明を聞いたあと言われた通りの床を踏む。
すると見事に下へと落ちた。
そして着地の弾みに打ったお尻をさすりながら前を向くと、

「っ！！」

思わず声をあげそうになりとっさに口を押さえる。
顔中に針を指していて───失礼を承知で───「不気味」としか表現できない彼。
しかしカタカタという音を出しながら手をさしのべてくれる。

「ありがとうございます。あ、私はAといいます。初めまして」

(カタカタカタ)

返事はない。
ただカタカタと音を出すだけだった。

「えーと、あ、あそこに置いてあるものって？」

台の上に腕時計を見つけお互いに腕へとはめると歩き始める。
最初は居心地の悪さに俯いていたが、私の歩調に合わせてくれたり、どうやら優しい人らしい。

「私は友人、といって良いのかわからないんですけど、その方と一緒に試験を受けていて...」

(カタカタ)

安心と共に途中からはたくさん話すようになった。
といっても彼───301さん───は返事をしないので私が一方的に話しているだけだが。

「あとその方の友人も一緒に受けてるらしいんです。でも一向に会えないんですよね...何故だろ...？」

(カタカタカタカタカタカタ)

いろいろな仕掛けを何とかしつつ進んでいくと、いくつか目の広間に出た。
広間にはローブを被り鎖に繋がれた10名が立っている。

『最後の試練だ。ここにいる者をす全て倒せ』

放送を聞きしばらく考えてから一番右の人の前へと立った。

「じゃあジャンケンをしましょう」

「は？」/『は？』/(カタカタ？)

「いいですか、最初はグー、ジャンケン、ポン」

私はパー、相手はグーで見事勝利。

「はい、では次、最初はグー、ジャンケン＿＿＿＿＿」

と、その調子で全員とジャンケンした結果、10人中4人に勝利。
途中『ジャンケンでの勝利は倒したことにならない』と言われたので、「倒し方の条件はなかった」とルールの曖昧さを指摘し許可を得た。

「ということで二回戦目、最初はグー(以下略)」

6人中3人に勝利。
この調子で残り3人もと思った時、二回戦目で負けた大柄の男性が怒鳴り声と共に拳を作り太い腕を振り上げる。
突然のことと恐怖のあまり動けず、私はその場できつく瞼を閉じた。