検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:21,503 hit

Ep2「彷徨うStranger」 ページ3

渡されてつい飲んでしまったが、見知らぬ人の家で出されたものに口を付けるのは短慮だった。
マグカップを近くのテーブルに置き席をたつ。


「それでは、この度は申し訳ありませんでした。ホットミルクご馳走さまです。失礼します」

「...そう、じゃあこっちへ」


そして男性、オベロンに玄関まで案内してもらった。
当然私の靴はなく、オベロンがサンダルを貸してくれる。


「何から何までありがとございます。後日お詫びさせてください」

「気にしなくていいよ。じゃ、さよなら」


パタンとしまったドア。
その向こうにいた仮称オベロンは不思議な人物だった。
結局なぜ私があそこにいたのか最初以降聞くことはなかった。
こちらとして説明のしようがないから助かるのだが。
ドアを背に外へと歩きだす。
外はまるで東京のような都心で見覚えがない。
私はいったいどうやってあそこまでいったのか、ここはどこなのか。
しばらく歩けば交番や案内板があると思ったが見つからない上、文字と思われるものも日本語ではなかった。
つまり帰る道がわからない。


(困ったな...)


あまり気は進まないがオベロンに助けを求めよう。
来た道を戻りあのドアを目の前にインターホンを押す。


「やぁ、キミか」

「すみません、帰り道がわからなくて、迎えを呼びたいので電話をお借りできませんか?」

「あぁ、かまわないよ。中へどうぞ」

「い、いえ、携帯を貸していただければ...」


そう言いかけるもオベロンは笑顔で黙ったまま。
あまりへやに上がりたくはないが、ここで唯一の知り合いといえるのはこの男性しかいない。


「...お邪魔します」


借りたサンダルを脱ぎ部屋に上がる。
そして、またあのクッションへと腰かけると電話を受け取りまずは両親へとかけた。
しかし、両親、友人、誰にかけても繋がらない電波。


「おかしいねぇ...キミはどこから来たんだい?」

「私は......」


そこから私の住んでいた所を話したが、彼が言うにはそんな町は知らないと言われてしまった。
加えて、県も国も何もかもが私の知っている世界と食い違う。


「そんな...」


あり得ないと思いつつも、知らない町、読めない文字、通じない電話。
ここは別の世界だと言われているかのようだ。
あまりに現実味のある夢。
そう思わなければ不安に押し潰されそうだ。


「行く宛も、帰るつてもないならここにいたらいいよ」

Ep3「無稽のFugue」→←Ep1「妖精王Oberon」



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
121人がお気に入り
設定タグ:HUNTER×HUNTER , ヒソカ , クロロ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:00 | 作成日時:2019年5月25日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。