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Ep13「真夜中FairyTail」 ページ14

近くで見た彼の顔はやはり美しいがどこか冷たさがあった。
作り物のような無機質な冷たさ。


「え...」

「...俺何か変なこと言った?」

「っいえ、イルミさんはてっきり私のことが、その、嫌いなのかな、と...」


まさかこんな風に話しかけられると思っていなかった。


「何言ってるの?初対面で好きも嫌いもないでしょ」


そうか、この人は物事にとてもストレートな人なのだろう。
好き嫌いでなく彼が言った通り「関係ないから名乗る必要はない」とはそのままの意味ということか。


「それで、何を読んでたの?」

「これはパドキア共和国という国の歴史についての本です」


文字の練習として物語中心に読んだあとは情報収集として各国の歴史についての本を読んでいる。


「へ〜、そこ俺の生家があるよ」

「そうなんですか!あの、良かったらどんなところかうかがっても?」


本による情報も良いが、そこに住む人から直接話を聞けるならその方が良い。


「別に良いけど。俺が住んでるのはククルーマウンテンって言う山で─────」


静かな声でククルーマウンテンを始めとし、街はどんな様子か、名物はなにか教えてくれた。
それから話題は次第にイルミさん自身になり、住んでいるお屋敷、ペットのミケたち、家族、兄弟、執事などの話をしてくれた。


「イルミさんは本当にご家族を大切にされているんですね」

「家族だし普通じゃない?」

「確かにそうですね、私も家族は大切、で、す...っ」


言ってから気づいた、次はいつ会えるのかと。
ここから戻れないということは、これから先ずっと家族に会えないと言うことだ。
不安していたよりも居心地が良く、帰ることを考えながらも日々を楽しんでいて気づかなかった。


「A?」

「あ、すみません、ぼんやりしちゃいました」

「...ふーん」

「でも良いですね、パドキア共和国、ククルーマウンテン」



話しに聞いた情景を思い浮かべる。
緑に囲まれ住民と観光客に溢れた活気のある街。


「機会があったら是非いきたいです」

「ならくれば?」

「え?」

「俺の家に」

「...イルミさん意外と冗談を言うんですね?」

「冗談じゃないけど?」


ほんの僅かに不思議そうにし、こちらを見る。
冗談ではないと言われ返す言葉がわからない。


「えっと...あ、機会があれば、伺わせて頂きたいです」

「うん、わかった」


話を終えイルミさんと別れると自室に戻る。
布団に入り先ほどの会話を思い返しながら眠りについた。

Ep14「朝食Triangle」→←Ep12「意外なVisitor」



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作者名:00 | 作成日時:2019年5月25日 12時

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