5 ページ6
眩しい朝日、鳥の鳴き声、クロロの驚いたように目。
「一晩で片付けたのか？」
「寝れなくて」
ガラスの欠片や廃材等が散らばった部屋を夜通し片付けた。
ゴミやいらないものは大きな木箱に入れ部屋のすみに寄せ、同じ大きさの箱を並べ落ちていた布をはたいてかければ簡易ベット。
と、言うわけでゴミを片付けたことで部屋が綺麗になり、かつすっからかんで殺風景な部屋となった。
「少し驚いた...すごいな...」
「何かモヤモヤしたから気が紛れるかと思って」
頭の置くに浮かぶノイズまみれの映像。
ブラウン管テレビで古いビデオテープを見ているみたいだ。
「それは、記憶が戻り始めているんだろう」
クロロが言うには、言葉の意味はわかり記憶喪失後もものを覚えることができることから心因性健忘症ではないかと。
急激に与えられた過度なストレスにより発症し、落ち着いた今記憶が戻ろうとしているらしい。
「あくまでも俺の見立てだ、あまり信じるな」
「よく知っているね」
「本で読んだだけだ。こい、飯だ」
クロロにつれられ、昨日と同じ広間へと向かった。
昨日の夜はわからなかった道もこうして改めて見ると、うん、汚ない。
「ほら」
「あ、ありがとう」
かけたグラスに半分ほどの水と、乾いて固くなった一切れのパン。
それでも昨日の話から考えるととても贅沢なだろう。
「いただきます」と手を合わせパンを一噛り。
固い、固いけど、味は普通で食べるのに問題はないな。
ただ、
「...」
クロロがじっとこちらを見ていて食べずらい。
「見られていると食べずらいよクロロ」
「あぁ、すまない、気にしないでくれ」
「......」
そんなことを言われても、まるで見透かされているかのような真っ黒な瞳でじっと見られると落ち着かない。
「クロロはご飯食べないの？」
「もう食べた」
「なんだ、せっかくなら一緒に食べたかったのに」
「そうか...ふむ...考えておこう」
話ながらご飯を食べ終え、廃墟、というかとりあえずの仮宿をでる。
その目的地は、昨日のあの場所。
「それじゃ、何か探せ」
「アバウトすぎん？」
指示がざっくりしすぎていてどうしたものか。
適当に周辺をガサガサと...
「お、クロロ、見てみて」
「何かあったか......鍋？」
「鍋だよ」
「...」
クロロが頭を押さえつつ深くため息をつく。
「こういうのを探すんだ」
そう言われて見せられたのは何かの機械。
見本があるなら先に見せてほしかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：００ | 作成日時：2019年6月24日 13時
