オッドアイ少女の観察 (ページ21)

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第306話紫苑の過去────遊びページ21

紫苑｢りんごとはちみつ紅茶ジャムはアプリコット
銀色のティースプーン壁に放り投げた♪

早く遊びましょう人形はなんにも喋らない
ひとつしか知らない歌を唄っているの♪

青い小鳥が籠から逃げて
雨に打たれて綺麗にもげた羽根♪

ーーー

新しい紅茶今度はオレンジママレード
銀色のティースープン壁に放り投げた♪｣

そう歌う紫苑のアメジストの目は無邪気に濁りきっていた。そして、澄んでいる綺麗な声は狂気が交差する。

今の紫苑を見る限り、壊れているふうにしか見えなかった。

A｢紫苑……｣

僕はそう言って、紫苑の元へ行く。すると…

紫苑｢おねえさんはだァれ？｣

そう言って紫苑は僕の方を見る。

A｢え？僕が見えるの?!｣

紫苑｢うん、すけてるけどおねえさんはゆーれい？｣

A｢僕は幽霊じゃないよ。僕は貴女｣

紫苑｢わたし？｣

A｢そう。僕は貴女の生まれ変わりだよ｣

紫苑｢うまれかわり？｣

A｢そう。生まれ変わりって言うのは死んで新しい人生を迎えるってこと｣

紫苑｢それじゃあおねえさんはわたし？｣

A｢そうだよ。紫苑はなんでここに居るの？｣

紫苑｢……わかんない。おかあさまとおとうさまはわたしをみてすぐにここにとじこめたの｣

A｢寂しいね…｣

紫苑｢うん。だからね、おにんぎょうさんたちとあそんでいたの。でも、おにんぎょうさんはすぐにこわれちゃう…｣

A｢そう…それじゃあ僕と遊ぶ？｣

紫苑｢え？でも…おねえさん…｣

A｢安心して。僕は貴女。つまり貴女と同じくらいの力を持っている。だから僕はそう簡単に壊れないよ｣

紫苑｢それじゃあ…おねえさん…あそぼ！｣

そう言って紫苑は僕に攻撃をする。

A｢えぇ！｣

僕はそう言って紫苑の攻撃を避ける。だけどそれは頬をかする。そして、しばらく僕達は遊んだ。その時の紫苑の目はとても生き生きしていて綺麗なアメジストだった。