音程弱点VS声量弱点の歌姫ライブバトル! ページ12
「題?
お題のことか?
自由でいいぞ。
得意ジャンルを指定して勝ってもハリがないからな。
……いや、待て。やはり決めさせてもらう」
「賢明だゼ。
ロックカ?
ポップスカ?
何でも来いだゼ」
「バラードで」
「ハ?!
バラード?!」
「何動揺してる……意外だったか?」
「オレがピアニスト志望でバラードには異様に強いことを知らんのカ?
……なるほどナ、敵に塩を送って相手の土俵で完膚なきまでに叩きのめそうってわけカ。
なかなか大した男ダ。
後悔させてやるゼ。
バラードで勝負ダ」
「相手の土俵?
バラードを自分の土俵と決め付けるとは……。
思い上がってるのはどっちなんだか」
「ぬかセ!
そうと決まればさっそく作戦会議ダ!
流ッ!」
「はっ、はい!」
そして、ペアどうしで互いの話が聞こえない位置まで移動して作戦会議に入った四人。
夜陣がレーレに無慈悲に言う。
「いいか、レーレ。
ぱっと聴いて分かるお前の弱点は……音程が完璧でないところだ」
「致命的だな!」
自分のことなのに愉快そうにツッコミするレーレ。
一方、龍華はせいかにやや言いづらそうに告げる。
「いいカ、流だっけカ。
ぱっと聴いて分かるお前の弱点は……声量が小さめなことダ」
「ハイ……」
「マア、オレの見立てじゃ、出蔵レーレの方は音程が合ってない部分が多イ。
音程が合わないやつを一朝一夕で合うように持って行くのは並の苦労じゃないはずダが、声量は何とかできル」
「できるの?!」
「オレなら、ナ」
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作者名:ルスブ | 作者ホームページ:http://twitter.com/rusbsss
作成日時:2022年9月9日 10時