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うつむいて今度は青褪めているせいかと、さっきまで活きの良かったレーレ。
「分かったゼ、引っかかりの正体!
今度こそ!」
龍華は夜陣をびしっと指さして言った。
「このふたりからは端的に言って、お前への恐怖が見られル!」
「ほう……で、問題あるか?」
「作曲者と歌姫は対等なパートナー!
恐怖で縛り付けるのはありえンし、ましてや道具だと言い放つナド論外!」
「……」
「オレはピアニストコンポーザー龍華優雅。
夜陣、オレはお前をまともなコンポーザーとは認めナイ!
当然入部も保留にさせてもらう!」
「はは、ずいぶん嫌われてしまったようだな、コンポーザーの同志だというのに。
このふたりの歌姫には声帯を開かせるために跪かせて上向きで歌わせたり、羞恥心を取り払うためにエロソングを歌わせたり、至れり尽くせりしてるのにな」
龍華は元々釣り上がった目と眉を限界まで釣り上げた。
「新歓の曲に神を見たと思って来てみりゃ、非道のハーレム部だったとは恐れ入ったゼ。
勝負しろ、夜陣とやら。
DTMの活動予定内容を読んだが、校内ライブがあっただろう。その場において、このオレと戦エ!
オレはお前をくだス!
勝ったらDTM部の部長をオレに明け渡すか、廃部にしロ」
「ふむ。あの新歓を見ていて勝負を申し込むとは、見込みあるぞ、お前。いいだろう!
その勝負、受ける。
その代わり、オレが勝ったらおとなしく入部していちコマとしてピアノスキルとやらを存分に部のために活かせ」
「望むところダ!」
「さて、龍華、お前、校内ライブバトルではどっちの歌姫を使うつもりだ?
せいかとレーレの力量はオレ評価で総合してほぼ同程度……。
どちらを選んでも有利不利はさほどないはずだ。はたまた自力で新しく調達するのか……。
挑戦者であるお前に決めさせてやろう」
「流せいかを指名させてもらう。
やってくれるカ?
流せいか」
とたんに動揺するせいか。
「えっ、わ……たし?
いいの?
龍華くんの力になれる?
私……」
龍華は初めてにかっと笑った。
「新歓の高音には痺れたゼ!
お前は間違いなく力になル!」
ぱぁっとせいかは嬉しそうな顔をした。
「けっ、ではオレは選ばれなかったレーレと組ませてもらう」
「アア、組む相手を選ばせてもらった代わりにお前が題を決めていいゼ」
音程弱点VS声量弱点の歌姫ライブバトル!→←ライバル作曲家現る!「新歓の曲に神を見たと思って来てみりゃ、非道のハーレム部だったとは恐れ入ったゼ」
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作者名:ルスブ | 作者ホームページ:http://twitter.com/rusbsss
作成日時:2022年9月9日 10時