駆け抜けて、恋 (ページ22)

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#22 ページ22

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“気があるよね？くるみに“

頭ん中でこの言葉が繰り返される。

突然、正解の気持ちを言い当てられたおれは

「はい」とも「いいえ」とも答えられなかった。

「本気にしちゃうの、あいつ」

くるみちゃんが眠る寝室を振り返りながら言う。

「..本気です」

「..え？」

こっちを向き直した彼とバチっと目が合う。

「おれ、結構、マジで、くるみちゃんのこと好きです」

少しの間が空いて、ひとこと

「そっか」

とだけ言った彼にお辞儀をしてアパートをあとにした。

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「せんせんふこく、しちゃったよ..」

アパートからの帰り道、ひとりで呟く。

2人の生活が詰まったあの部屋を見てしまったから

今までの想像がリアルになって急に苦しくなる。

おれの好きな人は、あの男と暮らしているんだ。

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