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日曜、蚤の市当日はうみくんと行った。
朝から行こうとしていたのに
わたしたちが休みの日に早起き出来るはずもなく、
すっかり夕方になってしまった。
「このお皿かわいい..」
「そんなに買っておまえ使うの？」
呆れた声でうみくんが言う。
拗ねて口を尖らすわたしの両手には
既に紙袋がたくさん。
「ほらいくよ」
そう言われて店の前を通りすぎても諦めきれずに
振り返ってあのお皿を見つめていると
「..あーわかったわかった」
とわたしの頭をぽんぽんしたあとに
「すみません、これください」
とお店の人に声をかけるうみくん。
「..いいの？」
「だって欲しいんでしょ？」
うみくんはかっこいいことをする時、
照れ隠しなのか少しだけ真顔になる。
だからわたしは決まって
「好き..」と口に出して言うの。
すると片方の口角を上げて笑う。
不器用で大好きな彼の癖。
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「あ、あれくるみの店？」
うみくんが人混みの中、向こうを指をさして言う。
「ほんとだ！見に行こ！」
わたしが両手に持っていた紙袋を取り上げ
はぐれないように手を握るうみくんと、
お店の出すブースの前まで歩いた。
「これを作ったんだっけ？」
「そう、看板」
「すごいじゃん」
褒められたのが嬉しくて思わずにこにこしてしまう。
「..なにこれ、くる..げん？」
じーっと看板を見つめてうみくんが言う。
「ああ、一緒に作った子が書いたの」
「へ〜..」
繋いだままの手が
キュ、っと少しだけ強くなるのを感じた。
「帰ろっか」
日が沈んだ頃、
一通り見終えたわたしたちは
2人のアパートに帰った。
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作者名：生活 | 作成日時：2021年2月24日 12時
