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ー♪♪♪ー
電話が鳴ったのでポケットから電話を出す。
A「もしもー……ん???」
今私ポケットから携帯出さなかった?
じゃあさっき影山が鞄に入れた携帯ってまさか…。
鞄を漁ると同じ機種の携帯が入っていた。
A「やっぱり…。はぁ。」
深いため息をつく。
そう、この携帯は影山がオリンピックでリオに行く前に海外でも使える携帯が必要だと言って買った携帯。
店員さんが同じ機種同士で使うと海外でも繋がり安いなんて言うから他のを見ずに同じのを2つ買って1つを私にくれたんだ。
A「あいつまだ携帯変えてなかったんだ…。」
さて、どうしたもんか。
というか自分の携帯落として普通間違えるかと思って影山の携帯の画面を見る。
A「え…。」
ホーム画面にはリオに行く前空港で一緒に撮った写真だった。
この時は嬉しい反面しばらく会えない寂しさにうちひしがれていた。
帰ってくるのを楽しみにしてたのに結局2人で撮った最後の写真になってしまった。
A「何で今さらこんなの待ち受けにしてんのよ。」
きっと影山の性格だから変えるのを忘れていたのかも知れない。
A「まさか…。」
4桁の暗証番号に自分の誕生日を入力したら開いてしまった。
A「どういうこと?」
慌てて携帯を閉じた。
確か影山が今いるチームは牛島さんと同じチームだった。
私は牛島さんに電話をかける。
牛島「Aか。久しぶりだな。どうした?」
A「急にすみません。お宅のチームのアホなセッターが私の鞄に無理矢理自分の携帯入れてきて困ってるんですよね。」
牛島「待ってろ。おい影山。」
電話の向こうで牛島さんと話してるのが分かる。
牛島「もしもし?今影山に聞いたら携帯は使わないからいつでも返しに来てくれと言っているんだが。」
使わない?
携帯を?
そんなはずない。影山は付き合ってる時定期的に電話やメールをくれた。
A「何で私が行かなきゃいけないんですか。自分で取りに来いって伝えておいてください。」
牛島「わかった。」
そして私は思い出した。
影山は私と一緒にいる時は写真を撮る時以外携帯を触るところなんてほとんど見たことがなかったのだ。
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作者名:るる | 作成日時:2021年10月15日 2時