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朝ドラのクランクアップの日によりにもよって局に携帯を忘れた。
深夜のテレビ局は怖かったけど親切な体操のお兄さんが着いてきてくれたからお礼にお酒を奢ることにした。
A「改めてありがとうございます！裏道さんは毎日局で収録なんですか？」
裏道「まぁ…MV撮影の日は外に行ったりしますけど基本的に収録は局でしてますね。」
ポスターやテレビで見かける貼り付いた笑顔が取れた裏道お兄さんは無表情。
闇深そうで少し苦手なタイプ。
A「私も今日から朝ドラ始まったんで局に行くこと多いですけどよろしくお願いしますね？」
裏道「あぁ…はい。」
素っ気ないしお酒飲むペース早いしタバコ吸うし本当に教育番組やってるのかこの人はと思ってしまう。
A「…う、裏道さんお家はどの辺ですか？」
裏道「◯◯駅です。」
A「え！一緒だ！スゴい偶然。」
裏道「Aさんって…なんつーか、元気…ですね。」
A「あ〜、まぁ元気って言われれば元気ですね。朝ドラヒロインだから普段から前向きにって心がけてるんです。」
裏道「ストイックですね。」
A「そんなことないですよ。そろそろ帰りましょうか。付き合ってくれてありがとうございます。」
裏道「いえ、こちらこそありがとうございます…。」
A「最寄り駅同じですしタクシーで一緒に帰りましょうか。」
裏道「そうっすね。捕まえてきます。」
タクシーを裏道さんに捕まえてもらって一緒に乗り込む。
ーカシャッー
A「…ん？」
裏道「どうかしましたか？」
A「いえ…気のせいだと思います。」
シャッター音が聞こえた気がしたが人影がなかったから気のせいだと思った。
先に私の家に着いた為裏道さんにもう一度お礼を言ってタクシーを降りた。
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作者名：るる | 作成日時：2022年5月2日 21時
