お見合い相手は真選組一番隊隊長

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A「あ、兄上様…。こんにちは。」


兄「ッチ。」


私の兄は父の居る入国管理局で働いており、結婚して今は家を出て生活しているが仕事の事もあり頻繁に実家に帰ってくる。


私の事を毛嫌いしていて顔を見るたび嫌な顔をされる。


兄「お前、真選組の沖田と婚約したらしいな。」


A「え、えぇ。」


いつもは話しかけてこないのに今日は珍しい。


兄「お前みたいに何もねぇ奴にはお似合いのチンピラ侍じゃねぇか。」


ムカついた。


いつもなら腹が立っても反論なんてしない。


なのに…。


A「私の事を何て言おうが構いませんが沖田さんを悪く言ったら兄上様でも許しません。」


兄「は？お前誰に口聞いてんだ？」


A「訂正してください！沖田さんはチンピラ侍なんかじゃない！！！」


思いっきり兄上様の着物を掴む。


兄「何なんだよお前！離せよ！！！」


A「訂正するまで離しません！！！」


兄「ッチ！！！どけよ！！！」


ードンッー


思いっきり突き飛ばされて縁側から落ちた。


A「いっっっ！！！」


兄「舐めやがって。」


兄上様はどこかへ消えてしまった。


私はというと足を挫いた様で歩くと凄く居たい。


身体中砂まみれで気持ち悪い。


顔半分も擦ったようですりむいている。


A「…っう…ひっく…涙」


何が悲しいのか分からないが涙が出た。


ー♪♪♪ー


タイミング悪く携帯が鳴ったが沖田さんからの電話だった。


A「…もしもし？」


沖田「A…？泣いてるのか？」


バレないようにと思ったがバレてしまったらしい。


沖田「待ってろ。そこから動くなよ。」


A「え？」


それだけ言われて電話が切られた。

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