お嬢様は失恋する (ページ39)

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荒北さんとお父さんが知り合いの事実に戸惑いを感じていたが先程まで反対していたお母さんの反応は少し良くなっているようにも見えた。

父「こう見えても昔結構なヤンチャをしていてね…。そんな時に母さんに出会ったんだよ。」

我が父ながらこう見えてもと言うが見たまんますぎて恥ずかしいし荒北さんの顔を見ると見たまんまじゃねーかってツッコミをいれたそうにしてるし…。

父「かなりのお嬢様で付き合ってることも周りから反対されて大変だったんだ。だからAには同じ思いをさせないようにと尽八君と婚約させてたんだがAが恋をした。」

A「お父さん…。」

母「それも私達の時と同じようにね。荒北君を反対してる訳じゃないわ。ただ私達と同じように辛い思いをするんじゃないかと思って…。」

A「荒北さんといれば辛い事なんて…。」

ないと言いたかったが荒北さんはもうすぐ卒業して離れてしまう。

荒北「辛い思いをさせないなんて言いきれません。でも俺達はその分辛かった穴を埋めることが出来ます。辛かった後その倍２人で幸せになれるよな、A。」

A「荒北さん…。」

父「な？荒北君良い子だろ？」

母「っふ。そうね。貴方にそっくり。会えて良かったわ。」

お母さんは荒北さんと握手をした。

両親と荒北さんと食事をして帰る。

A「受験勉強の邪魔してしまいましたよね。すみません。」

荒北「A、ちょっと話すかぁ。」

自販機でベプシを買って渡してくれる。

荒北「まだ大学に受かる前からこんな話しすんのもおかしいかもしんねぇけど。きっとAには寂しい思いをさせる。」

私の気持ちに気づいてくれていた荒北さん。

荒北「出来るだけ会いに行く。電話もメールもする。一緒にいる時間は最高の時間にする。だから…。」

A「そうですよね…。穴埋めなんてすればいいんですから。荒北さん、受験頑張って下さい。」

私は荒北さんに笑いかける。

荒北「あんがとなぁ。」

私の頭を優しく撫でて寮まで送ってくれた。