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荒北靖友視点
インハイが終わり、本格的な受験モードに突入した。
俺は図書室で勉強していたが分からなくてイライラする。
Aに相談したら
A「マーク式なので貴方だったら野生のかんで何とかなりますよ。」
と、他人事だった。
確かに何とかなりそうなところが逆に怖いが。
俺の志望校は自転車の名門、静岡県にある洋南大学だ。
A「荒北さん。」
付箋が貼られた問題集を見て呆れた様子のA。
A「ほとんどに付箋貼ってますけど…。」
荒北「っせ!Aの言う通り野生のかんで何とかするよ!」
A「っぷ笑。結局ですか?」
笑っているがどこか寂しそうな表情。
A「受かったら離ればなれですね。」
荒北「お〜。」
こんな顔見たい訳じゃねぇのに…。
行きたい学部。部活。偏差値。
…。
偏差値はかなり足りないが洋南大学に入りたいし違う大学に進学する箱学の奴らともレースで戦ってみたい。
A「あ、今日両親が箱根に遊びに来るんでした。もう行きますね。」
ベプシを机の上に置いて立ち去ろうとする。
荒北「Aの両親って婚約破棄に同意したんだよなぁ?」
A「…?はい。」
荒北「俺も行く。制服のジャケット取ってくっから待ってろ。」
A「……………。いやいやいや!!!辞めた方がいいですって!!!こう見えても父親強面ですし母親鉄仮面ですし!」
こう見えてもと言うより見たまんまな気もする。
荒北「東堂と結婚させるつもりだったんだろ。」
しばらく考え込むがため息をつくAちゃん。
A「分かりました。事前に言いますけど反対されても別れませんし反対されたらされたで責任もって駆け落ちでもしてくださいね。」
鉄仮面すぎて冗談で言ってるのか本気で言ってるのか分からない。
荒北「いいじゃなぁい!そしたらAも静岡で暮らせばいんだよ!」
A「受かったもないのにバカ言わないで下さい。」
いつも通り毒をはくAを嗜めて、俺はAの両親との待ち合わせ場所に向かった。
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作者名:るる | 作成日時:2021年9月27日 23時